令和4年度小規模事業者持続化補助金のインボイス枠とは
今年度も小規模事業者持続化補助金の申込が始まっています。
令和4年度の小規模事業者持続化補助金では、新しく特別枠が5つあり、そのなかにインボイス枠という枠があります。
2023年のインボイス制度導入に向け、インボイス事業者への登録を検討されている場合もあることでしょう。
今回は、小規模事業者持続化補助金のインボイス枠について解説しますので、ぜひお役立てください。
インボイス制度とは
小規模事業者持続化補助金のインボイス枠について説明する前に、そもそもインボイスとは何か説明します。
インボイス制度とは、簡単に説明すると指定されたフォーマットの適格請求書(インボイス)を発行し、インボイス事業者として登録する制度のことです。
この登録を行うことで、消費税の仕入税額控除を適応させることができます。
なお、 インボイス制度を適応させるためには、自社だけではなく取引先もインボイス事業者でなければなりません。
しかし、今まで消費税の納付が免除されていた事業者(免税事業者)は消費税納付の義務が発生します。
インボイス制度は、取引先がインボイス制度を採用するか、請求書のフォーマット変更に対応できるかどうかで判断する必要があるでしょう。
詳しい内容は下記の記事で解説していますので、もっとインボイス制度について詳しく知りたい方はご覧ください。
インボイス制度とは?個人事業主向けの対策をわかりやすく解説! |
インボイス制度を導入しようとお考えの場合は、ぜひこの小規模事業者持続化補助金のインボイス枠に応募してみましょう。
インボイス枠の概要
では、始めに小規模事業者持続化補助金のインボイス枠の概要について説明します。
小規模事業者持続化補助金とは、販路拡大や生産性向上のためにかかる費用を補助する目的で行われる補助金です。
その中でもインボイス枠は、免税事業者であることが見込まれる事業者がインボイス発行事業者へ登録することが対象です。
小規模事業者持続化補助金の通常枠では補助上限額は50万円までですが、インボイス枠では最大100万円まで補助されます。
補助率と補助上限金額は、下記の表の通りです。
補助率 | 2/3 |
補助上限額 | 100万円 |
補助金の対象者
まず、小規模事業者持続化補助金の対象者について説明します。
対象の事業者か判断する基準として、雇用している従業員数が業種ごとに定められています。
業種 | 雇用している従業員数 |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
そして、小規模な事業者の条件として、下記の3つを満たしている必要があります。
1. 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
2. 確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が 15億円を超えていないこと
3. 本補助金の受付締切日の前10か月以内に、持続化補助金(一般型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択されていないこと
引用:R1補正・R3補正小規模事業者持続化補助金〈一般型〉ガイドブック (jizokukahojokin.info)
そのうえで、インボイス枠の対象条件である
- 2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者であること
- 免税事業者からインボイス事業者への登録が確認できた事業者であること
の2つを満たしていなければなりません。
小規模事業者に該当する事業者であれば多くの場合免税事業者の条件にも合致していることが多いので、対象者となる可能性は高いといえるでしょう。
補助対象経費
小規模事業者持続化補助金のインボイス枠で対象となる経費は以下の通りです。
インボイス事業者に登録する費用以外にも、販路拡大や生産性向上のための費用であれば対象です。
今年度に行いたい項目があれば、補助金を生かしてインボイス事業者への登録を行いつつ活用することをおすすめします。
申請方法
補助金の申請は、WEB申込か郵送です。WEB申込の場合は、jGrants(Jグランツ)から行いますが、事前にgBizIDプライムの登録をしなければなりません。
まだ登録されていない場合は、今後さまざまな補助金申請に利用できますので、ぜひ下記のページを参考に登録してみましょう。
【補助金申請に必要】gBizIDプライムの取得方法や申請書類を分かりやすく解説!
通常の小規模事業者持続化補助金に必要な書類は、以下のリンク先からご確認ください。
小規模事業者持続化補助金<一般型>応募時提出資料・様式集(PDF)
小規模事業者持続化補助金(一般型) (jizokukahojokin.info)
なお、申請時には通常の小規模事業者持続化補助金の申請書類に加えて、以下の書類の提出も必要です。
- 「インボイス枠の申請に係る宣誓・同意書」(様式9)
また、
- 「経営計画書」(様式2)の「インボイス枠」欄にチェック
- 補助事業計画②(様式3)の「Ⅱ.経費明細表」の「インボイス枠」欄にチェック
の2点も忘れないようにしましょう。
そして、採択された後の実績報告の際には、
- 適格請求書発行事業者の登録通知書の写し
の提出が必要です。
上手に活用しましょう
制度に対応を目的にインボイス事業者に登録する場合、請求書の様式変更や事務処理の見直しなど通常よりも稼働や費用がかかってしまいます。
そのような負担を少しでも和らげるために、インボイス事業者へ登録を予定されている場合は、この補助金を活用しましょう。