【コロナ融資】金融機関への対応策!リスケ申請の基礎知識
事業を運営していると、経営にかげりが見え始めることもあると思います。
そんな時に検討したいのが、「同額借換」と「リスケ」です。
同額借換が通り、返済に猶予ができれば、その間事業の立て直しを計ることもできますが、もしも同額借換がダメだった場合には「リスケ」を視野に入れないといけません。
融資申請をおこなう場合にも、しっかり準備が必要ですが、リスケ申請はさらに準備が必要です。
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交渉する金融機関の担当者、リスケの経験が少ない場合もある
リスケ申請をするためには、しっかりとした準備と早めに段取りを決めておくことが必要です。
ですが、こちらがしっかりした資料を作成していても、金融機関の担当者にリスケの経験があまりない場合、経営者にとって、ちょっと良くない結果になってしまう可能性もあるのです。
なぜそんな状況になってしまうのか、金融機関の事情をご紹介します。
リスケ実務に疎い金融機関の担当者が増加している背景
リスケは、実際に経験してみないと慣れることはありません。
申請をする経営者もですが、申請を受け取る金融機関の担当者にとっても同じなのです。
金融機関の担当者は「渉外担当者」
顧客の元へ実際に足を運んでいる金融機関の担当者の事を「渉外(しょうがい)担当者」と呼ばれています。
実際に顧客の元に足を運ぶのですから、金融機関の中でも、下記のような経験者が主に渉外担当者になるのです。
- 3~10年目の職員
- 一般職・主任・係長
渉外担当者は、金融機関の支店の中で、いろいろな実務経験を積んでから外回りに出るようになります。
新型コロナの影響で融資の扱いが変わってきた
この数年、新型コロナウイルスの為、飲食店や販売業だけではなく、たくさんの事業が多大な影響を受けました。
それは金融機関も同じで、コロナ融資が主な融資の取り扱いとなり、他の融資をおこなう機会が減っています。
そのため、3~6年目のくらいの渉外担当者は「コロナ融資」以外の融資の経験があまりありません。
コロナ融資の審査は比較的簡単だった
新型コロナの影響で、経営・財政状況が悪化した事業が多くあります。
そのため、たくさんの事業者がコロナ融資を金融機関に申請してきました。
このような状況であるので、以前の融資審査に比べれば、けっこう簡単に融資審査に通っています。
そのために、リスケ申請を受ける経験が、あまり無い渉外担当者も増えているのです。
担当者の変更ができない事情
リスケだけでなく融資も、金融機関の担当者次第で可否が決まることもあります。
なぜ担当者次第で、融資の可否が決まるの?
経営者が融資を申請した後、経営者から話を聞いた金融機関の渉外担当者は、それを元にして「融資稟議書」を作成します。
その稟議書の内容で融資の可否が決まるので、稟議者を作成する渉外担当者の能力が影響するのです。
それはリスケ申請の時も同じで、「条件変更稟議書」を渉外担当者が作成して、金融機関内で審議が始まり、条件変更の可否が決定します。
そのため、担当の渉外担当者の経験が豊富であれば、通りやすい稟議書が作成され、申請も通りやすくなるのです。
なぜ渉外担当者は変更できない?
融資やリスケの申請は、経験豊富な渉外担当者にお願いしたいと申請する側は思いますが、担当者を変更してもらうことはできません。
それは、渉外担当者にはそれぞれの担当エリアが決まっているからです。
どこの金融機関でも「担当テリトリー制」という、地区ごとに渉外担当者が割り振られている制度を利用しています。
それぞれ地区の渉外担当者が決まっているため、その担当者に融資やリスケの経験が少なくて、変更を希望しても叶うことはないのです。
上司・先輩も指導の時間が十分に取れない
この数年、行動も制限され、金融機関の渉外担当者もコロナ融資の申請ばかり扱っていたため、リスケ対応の経験がそこまで無いでしょう。
もしも通常時と同じように業務ができていれば、しっかり経験を重ねることもできたでしょうけれど、この状況ですので仕方がありません。
上司や先輩からの指導を受けて、勉強もしていると思いますが、上司や先輩もかなり忙しいので、指導のための十分な時間をとることも難しいでしょう。
このように経験も指導も不十分なままのため、渉外担当者が右往左往してしまい、リスケ交渉が滞る事もあります。
今後は、リスケ申請も多くなってくるでしょうから、このようなケースがさらに増えるかもしれませんね。
担当者にリスケ実務経験が少なくても専門家を味方につける
経験の少ない渉外担当者に対して、不安に思うかもしれませんが、あまり心配する必要はありません。
なぜならば、リスケをスムーズに進めるために、経営者側が事前に、しっかりした準備と、適切にリスケ交渉ができるように、ポイントを押さえておけば大丈夫だからです。
そのポイントは、下記の3点になります。
- いつからリスケの準備を始めるか、しっかり段取りを組む
- しっかり返済できるように事業計画を練り、経営改善計画を作成
- こちらが有利になるように、金融機関との交渉
経営者も事業の運営に忙しいため、準備をすることも大変です。
そんな場合は、専門家を味方に付けると、スムーズにリスケを進めることができますよ。
専門家に支援をしてほしい!と思ったら
リスケ申請をするため金融機関に行き、しっかり説明をしても、渉外担当者が作成する「条件変更稟議書」の出来によって結果が左右されます。
しかも渉外担当者の経験が乏しい場合、リスケ申請が受かることが難しい場合もありますので、しっかり段取りを組み、必要な計画を立ててしっかり交渉していきましょう。
ポイントを確実におさえておけば、リスケ審査がスムーズに進みますよ。
リスケ申請を検討している経営者は、的確なアドバイスをしてくれる専門家と一緒に進めていきましょう。