創業融資で夫の会社の決算書を提出を求められたら?対処法を解説!
女性が創業する際に融資を申し込むと、夫の経営している会社の決算書を求められる場合があります。
- なぜ妻が創業するのに夫の会社が関係あるの?
- 夫が決算書を提出するのを嫌がっている…
このようなお悩みをお持ちの方がよく弊社へ相談に来られます。
夫の事業とは無関係の妻の創業融資に、夫の会社の決算書の提出は必要なのでしょうか。
今回は、創業融資の申し込み時に夫の会社の決算書を提出するよう求められる理由と、その場合の対処法を解説します。
夫が事業を行っており、これから創業をお考えの場合はぜひ参考にしてください。
なぜ夫の会社の決算書を求められるの?

そもそもなぜ妻が創業するために融資を申し込んでいるのに、なぜ夫の会社の決算書を提出しなければならないのだろうと疑問に思う方も多いことでしょう。
なぜ金融機関が創業融資を行う際に夫の会社を意識するかというと、融資した資金が夫の会社に流用されないか警戒しているためです。
夫が事業を行っている場合、自分では無関係と思っていても金融機関は「関連の会社ではないか」という疑いを持ちます。
決算書の提出を求めるのは、夫の会社が赤字である場合に妻を創業させて創業融資を申し込み、その資金を夫の会社の資金調達に使うケースが見られるためです。
このようなケースは夫の会社の決算書を確認し、経営が安定していることを確認できれば防げます。
金融機関は「資金使途違反」を警戒している

なぜ金融機関がここまで調べるかというと、妻に融資した資金が夫の会社へ流れると「資金使途違反」です。
金融機関が融資を行う際に、最も嫌がるのが「資金使途違反」といっても過言ではありません。
先に説明した通り、もし夫の会社が赤字である場合、妻の創業融資資金が夫の会社に流れるケースがあるため警戒されます。
よって、夫の会社の経営状況が悪化していれば、妻が創業融資を受けることは難しいでしょう。
「資金使途違反」とは?

ここまで何度か出てきている「資金使途違反」という言葉を皆様はご存知でしょうか。
資金使途違反とは、言葉の通り、資金を使用目的以外に使用するすることをいいます。
例を挙げると、設備資金として融資を受けた資金が余ったからといって運転資金に回すことも「資金使途違反」です。
もし、資金使途違反が発覚した場合には、融資された金額を金融機関に一括返済しないと信用を取り戻すことはできません。
当然ながら、妻が新しく立ち上げる会社で借りた創業融資の資金を、夫の会社へ流用することは立派な資金使途違反に問われます。
夫の会社の決算書を提出したくない場合の対処法

金融機関が警戒する理由が分かったとしても、さまざまな事情から夫の会社の決算書を提出を避けたいという場合もあるでしょう。
そのような場合には、どうすればいいのでしょうか。
まず、創業融資の相談をする際に、金融機関に夫の事業と自分の関連性がないことをしっかり伝えましょう。
また、もし夫の会社で役員になっている場合には、誤解を受けやすいので退任しておくのがおすすめです。
それから、事業を行う際に登録する住所を夫と同じにしてしまうのも誤解を招くのでおすすめできません。
夫が自宅を事務所にしている場合には、レンタルするなど、住所は別にしておきましょう。
そのうえで、金融機関に創業融資を申し込む際には、創業資金が必要な根拠をしっかり揃えておく必要があります。
例えば設備資金であれば見積書を、運転資金であれば資金繰り表を用意しておくと説明しやすいのでおすすめです。
それでも金融機関から夫の会社の決算書を提出するよう求められた場合には、なぜ必要なのか利用を確認しましょう。
しかし、もし夫の会社の事業が好調な場合には、決算書を提出することで創業融資が有利に進みますので、提出することも検討してみてはいかがでしょうか。
「どうしても提出したくない」は通用しない?

金融機関から夫の会社の決算書を提出するよういわれ理由を尋ねた際、もし合理的な理由がなければ提出しないで済む場合もあります。
しかしながら、理由を尋ねた際に金融機関から「それがうちの銀行で融資を行う際のルールです」と回答されてしまう場合があります。
ルールといわれてしまうと、提出を断ることが難しいでしょう。
なぜなら、金融機関としては決算書を提出するルールに従えないこと自体が、創業融資を断る口実になるからです。
また、頑なに決算書を提出しないことで、「何か提出できない理由があるのだろうか?」と勘繰られてしまいます。
これでは状況が良くなる可能性は極めて低くなってしまうでしょう。
よって、夫の会社の決算書の提出を求められないよう先に伝えたように夫の会社とは別の事業であることを明確にする対策を行っておくことが大切です。
創業融資の相談は「事業計画書」の作成も含め専門家へ!

今回の記事を読んだ方のなかには、金融機関のルールだから提出しなければならないという理由に納得できないという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どの業界にもルールがあるように金融機関にもルールがあります。
そのルールを理解したうえで、ご自身の思いを伝えると融資が有利に働きます。
そのような金融機関の考えを知るためには、専門家の力を借りるのもおすすめです。
融資の際に必要な「事業計画書」の作成も含め、創業融資を検討する際には一度専門家に相談してみましょう。
弊社でも随時相談に乗っておりますので、ぜひお問い合わせください。