リスケ中でも新型コロナウイルス感染症特別貸付の審査に通る?借りられない人との違い
「新しい生活様式」やガイドラインに基づいて、次第にお店や会社も普段通りへと戻りつつあります。
事業再開にあたって、補助金や融資などたくさんの金融施策が打ち出されており、少しですが明るい兆しが見えてきました。
しかし、なかには新型コロナウイルスの流行前から苦しい状況にあり、以下のようなお悩みを抱えている場合もあるでしょう。
- すでに借りているお金が返せないでいる
- 何とか立て直すためにも、「新型コロナウイルス感染症対応関連の融資」は申し込めないものか
すでに融資を受けており、その返済が滞っている場合は、通常は新たに融資を申し込んでも通らないことが多いものです。
今回は、すでにリスケしている状態でも新型コロナウイルス感染症特別貸付を受けることができるのか、詳しく説明します。
リスケ企業でも新型コロナウイルス感染症特別貸付に申し込める?
リスケとは、リスケジュールのことです。
つまり、予定していたスケジュールの変更をお願いすることです。融資の場合は、期日までに返済が間に合っていない状況です。
そのため、金融機関に返済日の変更をお願いしたり、返済額を下げてもらったりしている苦しい状況といえます。
このような状況で追加融資を頼んでも、通常ならばっさり断られてしまいます。
しかし、新型コロナウイルス感染症特別貸付においては、「借りられた!」という例があります。
新型コロナウイルス感染症特別貸付でいくら借りられる?
では、新型コロナウイルス感染症特別貸付の融資を受けられた場合、どれくらいの金額を借りることができるのでしょうか?
結論から申し上げると、借りられたケースもあります。
以下に、実際借りられたケースをいくつかご紹介します。
リスケ期間と業種 | 融資決定額 |
---|---|
1年リスケ中の小売業 | 1,000万円の残債と合わせて1,200万円融資決定 |
1年リスケ中の建設業 | 1,000万円の残債と合わせて2,000万円融資決定 |
リスケを検討していた卸売業 | 2,000万円融資決定 |
8年リスケ中の食品加工業 | 融資を受けることできず |
昨年リスケしたばかりの方 | 200万円の残債と合わせて1,000万円融資決定 |
このように、以前から借り入れていた金額とまとめることができたり、追加の借り入れができたりした場合もあります。
また、返済期間も延長してもらえたというケースもあります。
借りられる人・借りられない人の違いは?
ここまでは、借りられたケースを紹介してきましたが、やはり借りられなかったというケースもあります。
両者の違いは、「返済できる可能性が高い」と金融機関に判断されたかどうかです。
では、金融機関で借りられるケースはどのような条件なのか、詳しく見ていきましょう。
現在の返済額とこれからの返済額
現在返済している金額より、高い金額を毎月返すとなると、「返済は難しいだろうな…」と誰でも思います。
今、毎月10万円返済しているとして、新たに融資を受けても返済期間の延長などで返済額が下がる場合は「もしかして返せるかも!」と思われます。
例えば、以下のような状況だったとします。
- 当初の借入額 : 2,000万円
- 当初の返済額: 月々24万円(7年で返済予定)
- 今現在の返済残高 : 1,000万円
- リスケして減額した返済額: 月々12万円
これを、新型コロナ特別貸付で2,000万円新しく融資を受けて、15年返済に組み替えた場合、毎月の返済額は約11万円です。
返済額が減ったうえに、手元には新たな融資額の1,000万円残る計算です。
返済できる根拠を示す書類を見せる
新型コロナの影響で、経営が落ち込んできたタイミングとリスケしたタイミングが重なる場合には、根拠を示す書類を作成しましょう。
作成する書類は、以下の3つです。
- 資金繰り表
- 必要とする資金額の説明書
- 融資依頼書兼経営計画書
平常時では、「今は返せないけど将来は返せる!」と言っても、相手にしてもらえません。
しかし、今は非常時です。
「新型コロナウイルスの影響でリスケせざるを得なかったけれど、今後経営が立ち直ればきちんと返済できる!」ということをきちんと証明できれば、融資される可能性が高まります。
悩んだら専門家に相談するのが一番!
今回ご紹介した通り、普通なら「もう無理だ」とあきらめてしまう状況でも、新型コロナ特別貸付の場合、借りられる可能性があります。
しかし、
- 今も返済に苦しんでいるのに追加で借りた方が有利なのか?
- どのくらいの金額を借りればいいのか
- 返済できる根拠といわれても思いつかない…
など、一人で考えてもなかなかお金のことは難しいものです。
新型コロナウイルス感染症特別貸付の申し込みはとても混みあっており、今から申し込んでも実際に融資されるのは1~2か月先です。
もし、今融資を受けたいけれど、自分にとってどのように今後金策を練っていけばいいのか悩んでいるのであれば、なるべく早く身近な専門家に相談しましょう。
悩んでいるうちに、一番借りたいタイミングで借りられず手遅れになることが一番の損失です。
親身になってくれる専門家を味方につけることができれば、リスケ中でも融資を受けて経営を立て直せる可能性がぐんと上がりますよ!