金融機関の担当者が異動しても良好な関係を継続する方法
事業を行ううえで、金融機関と良い関係を作っておくことは大切です。
しかし、金融機関の担当者と仲良くなっても、銀行には必ず2、3年に一度異動があります。
- また一から関係の作り直し…
- 次の担当者に引継ぎもなかった…
- 説明も始めから行わなければならない
このように、異動の度に振り出しに戻る関係づくりに疲れているという場合も多いでしょう。
今回は、担当者が異動になっても金融機関と良好な関係を継続する方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
担当者「以外」にもパイプを作っておこう
弊社に相談いただくお客様から、金融機関の担当者とせっかく親しくなっても異動でやり直しになり、苦慮しているというお声を時々伺います。
金融機関は、通常2~3年程度で転勤があります。
これは、同じところで長く勤めていると癒着や不正が発生しやすくなるため、違う部署や支店に人を異動させていることが理由です。
事業者からすると、時間をかけて作り上げてきた関係が数年でリセットされてしまうことに不満はありますが、不正防止のためであれば仕方がありません。
したがって、対策できる方法として、今付き合いのある「担当者」以外ともパイプを作っておくことが重要です。
ここからは、担当者「以外」にもパイプを作るための対策方法を3つ解説しますので、ぜひご活用ください。
異動時の引継ぎは期待できる?
基本的に、担当者が異動になった際には引継ぎは期待できません。
異動が仕方ないのであれば、せめて次の担当者に自分の会社のことを引き継いでいってほしいと願うのが事業者の思いでしょう。
しかし金融機関が引き継ぎを行う期間は大体3日間程度であり、担当者一人当たりの顧客は1,000人を超えていることもあります。
さらに顧客情報の保管は、紙やデータとして残しているわけではなく、担当者の頭の中で記憶していることがほとんどです。
限られた時間でたくさんの顧客情報を記憶の中だけで行うので、引継ぎされるのは余程大口の顧客でなければ難しいといえます。
対策① 事業計画書を持って支店に出かけよう
1つ目の対策は、事業計画書を持参して支店へ出向くことです。
担当者が代わった場合には、いち早く自分の事業を知ってもらい、良好な関係を作り上げる必要があります。
そのために有効なのが、自分の事業を知ってもらうために作成した「事業計画書」です。
ですので、まず金融機関に出向いて新しい担当者に事業計画書を見てもらいながら自社の事業について知ってもらいましょう。
事業内容が分かっていると新しい担当者が訪問しやすくなるので、話をする機会が増え、早めに良好な関係を築くことができます。
対策② パイプを2つ以上作る:(事例)担当者の上司
2つ目の対策として、担当者と良好な関係を築けたら、その上司とも親しくなっておく方法があります。
担当者以外と付き合いがないと、その担当者が異動した際に金融機関とのつながりも薄くなってしまします。
そうならないために、担当者の上司である「渉外担当役席」や支店の貸付責任者である「貸付担当役席」ともパイプをつくっておくのがおすすめです。
上司とも良好な関係が築けていれば、新しい担当者に代わった場合にも紹介してもらえる可能性があります。
対策③ できれば3つめのパイプを作る:(事例) 支店長
3つ目の対策は、支店長とのパイプ作りです。
しかし、いきなり支店長に話をするというのもこちらも気が引けますし、相手もなかなか忙しいでしょうし失礼にあたる可能性があります。
ですので、まずは自分の担当者やその上司に「今度支店長にもあいさつをしたい」と伝えて、アポイントをとりつけましょう。
支店長ともパイプができれば、担当者・その上司と合わせて3つの関係が出来上がるので、より金融機関との関係も強固なものになります。
定期的に支店へ足を運ぼう
金融機関の担当者が訪問してくるのを待つだけでは、担当者以外と親しくなる機会がありません。
ですので、金融機関と複数のパイプでつながるためには、積極的にこちらから金融機関の支店へ足を運び、関係性を作り上げていく必要があります。
- 事業計画を策定した際
- 決算書ができた後
- 毎月の試算表と月次事業報告書
など、あらゆるタイミングで金融機関の支店へ訪問しましょう。
直接会う機会が多くなることで、相手の印象にも残りますし、強い関係性が出来上がります。
このような日々の些細な努力を行うことで、金融機関の担当者が異動になっても、揺るぎない関係を築くことができるでしょう。
担当者だけでなく、色んな人を味方にしよう
金融機関に積極的に訪問すれば担当者「以外」のパイプを作ることができます。
重要なのは、渉外担当役席や貸付担当役、支店長の「嫌がることをせず」「信頼してもらう」ことです。
金融機関の人たちから好感を持たれると、追加の融資などもしてもらえる確率は格段に高まります。
そんな融資に関するお役立ち情報は、ぜひ専門家から受け取ってくださいね。