資金使途違反!保証協会にバレる?バレたらどんな罰則?
設備資金として、融資を受けても、その時の状況で運転資金として使ってしまうこともあるかもしれません。
取引先からの入金の予定が、先方の都合で遅れてしまい、つい入金されていた設備資金分を、経費の支払いに使ってしまった。という場合は、金融機関が嫌う「資金使途違反」になってしまうので、注意が必要です。
Contents
中途半端なごまかしは、今後の資金調達に大きく影響する
これから資金使途違反のよくある事例をご紹介しますね。
【設備資金の融資を受けたが、流用してしまった事例】
- 運転・設備資金として1,400万円、信用保証協会付きの融資を受けた
- 返済は10年
- 1,000万円の設備の見積もりを提出
- 実際に使用した設備投資は200万円
- 残りの金額は、運転資金に
上記の事例の場合、「資金使途違反」に当たりますが、どのようなペナルティがあるのでしょうか。
設備投資で借りた融資を運転資金に流用すると、バレるか?
設備資金で借りたお金を、運転資金に流用するのは「資金使途違反」です。
当然のことながら、設備資金を別の用途で使った場合は、すぐにバレます。
まずは、設備資金と運転資金の違いから紹介しますね。
運転資金と設備資金の違い
事業を運営するためには、資金が必要ですが、足りない場合は、金融機関から融資を受ける必要があります。
金融機関は、融資金の使い道を、明確にしめしてほしいと考えているのです。
その使い道として、下記の運転資金と設備資金の二つに分類されています。
- 運転資金…人件費や材料費などの経費
- 設備資金…仕事をおこなうために必要な設備を購入する資金(機械・建物・仕事で使用する車両など)
設備資金の流用なぜバレる?
設備資金を金融機関に融資申請する場合、設備を購入する理由や見積もり金額を伝える必要があります。
融資が実行されれば、すぐに設備を購入して、支払いますよね。
支払いは、金額が大きくなるため、金融機関の振込を利用することがほとんどです。
振込用紙や領収書は、金融機関に提出しないといけませんから、設備を購入していなかったら、すぐにバレます。
設備資金は運転資金よりも、お金の動きが分かりやすいので、バレやすいのです。
資金使途違反がバレると、どんなペナルティ(罰則)を受ける?
金融機関は「資金使途違反」を重要視しています。
それは金融機関と経営者との「約束」だからです。
なぜ申請した用途以外で使うと罰則があるの?
金融機関は、事業を発展させるための運転資金や、設備購入するための資金として、融資を実行します。
誰でも、お金を貸す時に「○○に必要だから貸して」と言われたのに、「借りたお金で旅行に行った」なんて言われたら、腹が立ちますよね。
金融機関も同じで「○○を購入するから融資を」とお願いされたから、○○を購入するための融資をしているのです。
簡単に言えば、金融機関との約束を破ったことになるので、どのような理由でもバレれば、ペナルティ(罰則)が課せられます。
事業に使うお金だから、使い道はどうでもいいだろうではダメなのです。
信用保証協会に資金使途違反がバレた時のペナルティ(罰則)
上記の事例の場合、信用保証協会から、融資に関する書類が届きます。
その書類は、下記のように記載されています。
- 本保証の設備実施ができない場合、次回の保証申し込みを、お断りすることになりますので、ご注意ください
訳)融資時に申し込まれた、設備購入費用が申し込み時の説明の用途に使われていない場合は、次の融資の申し込みは断ります。
信用保証協会に知られた場合、設備資金を他の用途に使ったら、次の融資の申し込みをしても通らなくなります。
つまり、新規・追加融資は不可ということです。
他の金融機関の信用保証協会付き融資を受けにくくなる
信用保証協会付きの融資は、他の金融機関でも展開されていますよね。
例えばA金融機関の信用保証協会付きの融資で資金使途違反をした場合、他の金融機関の信用保証協会付きの融資も難しくなります。
それは、信用保証協会のデーターベースの中に「この事業者は資金使途違反をおこなった」というテータが残っているからです。
他の金融機関の信用保証協会付きの融資を申し込んだとしても、信用保証協会にデータが残っている限り、新規の融資は難しくなります。
信用保証協会付きの融資ではない場合は?
信用保証協会付きの融資ではない場合でも、金融機関からの信頼が無くなるため、次の融資は難しくなるでしょう。
特にプロパー融資の場合、資金使途違反をすれば、全額一括返済を求められることもあるのです。
信用保証付きの融資以外に、金融機関のプロパー融資がありますが、プロパー融資は保証協会付きの融資よりも、かなりハードルが高いので融資を受けることは難しいでしょう。
その上、信用保証協会に「資金使途違反」とデータが残っていることが知られれば、更に難しくなります。
資金使途違反をしてしまった場合、どう信頼回復する?
金融機関との信頼関係に傷をつけてしまった場合、もう金融機関から融資をしてもらえなくなるのかと不安になりますよね。
特に、信用保証協会付きの融資は、今後も利用したいと思っている経営者は多いでしょう。
融資は、事業を展開していくために必要ですから、早い段階で金融機関との信頼を回復しておきたいですよね。
金融機関や信用保証協会との信頼を回復する方法は?
金融機関との信頼回復をするためには、資金使途違反をしてしまった融資を、なるべく早く返済することです。
早期返済をした後に、融資を申請すれば、取り扱ってもらえる可能性が高くなります。
ただし金融機関によっては、資金使途違反をした経営者に対して、厳しい対応をする場合が多いので、今後の資金調達は難しいでしょう。
オフィスを借りるよりも購入したいと思ったら
「融資してもらえたけれど、実はその後…」ということは実に多いものです。
オフィスを購入する予定で融資申請をして、購入する直前に、他に良い物件が見つかったという話もあります。
もしも、融資実行後にそのような状況になったら、きちんと金融機関や保証協会に報告や相談することが大切です。
「オフィス購入のために融資してもらったが、他に良い物件が見つかりました。この場合、どうすればよいでしょうか。」と報告して相談すれば、金融機関や信用保証協会から、資金使途違反とみなされることはないでしょう。
その後は、金融機関や保証協会に改めて融資申請が必要かもしれません。
しっかり事業計画書と資金繰り表を作成していきましょう。
まとめ
融資申請をした後に、状況が変わることはよくあります。
事業をおこなう上で、資金使途違反をしないことが一番大切ですが、してしまった場合、リカバリできる対処法をしっかり考えていくことが大切です。
中途半端なごまかしは、信用を無くすことになるので、しっかりした解決方法を示してくれる専門家と一緒に進めていきましょう。
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