新規法人だと口座開設できない?断られた時の対処法も解説!
新しく事業を立ち上げた際に、まず作成したいのが金融機関の口座でしょう。
しかしながら、法人口座が犯罪に悪用されるケースがあり、法人名での口座開設を断られるケースが増えています。
事業で使うお金を代表者の個人口座を使って管理しても問題はありませんが、
- 事業で使用するお金を区別するため
- 社会的信用度を高めるため
にも、法人口座を開設したいと考える場合が多いかと存じます。
そこで今回は、新規法人でも口座開設できる方法を解説しますので、ぜひお役立てください。
新規法人で口座開設が断られる理由
金融機関が新規法人の口座開設を断るのには、理由があります。
それは、法人口座を簡単に開設できていた時代に、詐欺や反社会的勢力のマネーロンダリングに利用されてしまうことがあり、警察から金融機関へ厳格に行うよう要請が出ているからです。
万が一、犯罪に法人口座が使われた場合、その金融機関は金融庁から厳格な処分をされてしまいます。
具体的にどのような場合に口座開設を断られるケースが多いかというと、以下の5つです。
- 登記している本店の住所がレンタルオフィスやバーチャルオフィスで賃貸借契約書がない
- 固定電話やホームページがない
- 資本金が少ない
- 法人登記上の住所と、事業を行う住所が一致しない
- 事業内容が不明瞭
法人口座を犯罪に悪用したい場合、手間がかかることは避けたいので事務所を契約したり固定電話を引いたりしません。
そして、事業内容を問われてもあいまいな回答になりますし、書類に記載している内容とズレが生じてしまうことでしょう。
要するにいつどこでだれがどのように事業を行っていくのか明確でないと、金融機関の担当者から「怪しい!」と思われてしまう訳です。
口座開設時に必要な書類等
そもそも口座を開設する際に、用意しておく書類や印鑑等が不足していると断られてしまいます。
必要な書類等を再確認してみましょう。
- 履歴事項全部証明書
- 定款
- 会社の実印と印鑑証明書
- 代表者の実印と印鑑証明書
- 代表者の身分証明書
- (もしあれば)直近の決算書
金融機関により、多少必要なものは異なりますが、上記のものを用意しておけば申込時に慌てることがなくなります。
口座開設時に有利になる3つのポイント
金融機関から求められる必要書類等をそろえても、先に説明した通り「怪しい!」と思われてしまうと口座開設は難しくなります。
では、怪しまれないためにはどのようなものが他に必要なのでしょうか。
申込する際に以下の3つをあらかじめ用意しておくと、口座開設がぐっと有利になります。
- 事業計画書を作成する
- ホームページや賃貸契約書を用意する
- 代表者が自分の言葉で説明する
それぞれ具体的に説明していきます。
1. 事業計画書を作成する
事業計画書とは、あなたの会社がこれからどのように事業を行い収益を上げていくのか説明する資料です。
悪用するつもりで口座開設する場合、わざわざ手間をかけて架空の事業計画を立てる可能性は低いと考えられます。
よって、しっかりとした事業計画書を作成することで金融機関担当者の信頼感が上がります。
また、創業したばかりであれば創業融資を申し込む際にも事業計画書は役立ちますので、作っておいて損はないでしょう。
2. ホームページや賃貸契約書を用意する
業者に依頼してホームページを作成していたり、事務所利用のために賃貸契約を結んでいたりすればそれを生かしましょう。
ホームページは印刷したものを持参すると、その場ですぐ確認できるので紙でも持っていくとなお良いです。
また、会社案内やパンフレットなどもあれば、これから事業を行うことの証明になります。
3. 代表者が自分の言葉で説明する
最後に大切なポイントととして、口座開設申込の際は代表者が自分の言葉で事業内容を説明できることが重要です。
法人で口座を開設する際は、
- 反社会勢力とつながりがないか
- 事業を行う実態はあるのか
- 事業の中身に問題はないか
など、さまざまな角度から質問を投げかけることで金融機関の担当者は審査します。
自分が行う事業のことではありますが、急に聞かれても困らないように話す内容を整理しておくようにしましょう。
新規法人の口座開設は地域密着型金融機関かネット銀行がおすすめ
法人口座を開設する際、金融機関をどこにするかというのも重要なポイントです。
どこに申し込むか決めていないと、つい名前をよく知っている都市銀行や大手の地方銀行に申し込んでしまいがちです。
しかし申込のハードルは、
都市銀行・大手の地方銀行 > 第二地方銀行・信用金庫・信用組合(地域密着型金融機関) > ネット銀行
の順に高くなります。
なぜなら、今まで説明してきた通り、法人口座の開設には厳格な確認が必要となるため手間がかかります。
大手銀行では、既に取引している企業がたくさんあるため、その手間を割いてまで新規法人と取引するメリットがない訳です。
その点、第二地方銀行や信用金庫、信用組合などの地域密着型金融機関は、時間や手間をかけ長く取引できる会社であるか審査してもらえる可能性が高いといえます。
しかし、 地域密着型金融機関でも断られてしまった場合は、ネット銀行に申し込んでみましょう。
多くのネット銀行では、書類が揃っていれば審査が通りやすい傾向にあるためです。
新規法人の口座開設も迷ったら専門家へ相談を!
新規開業時は、口座の開設のほかにも資金繰りなど悩むことも多い時期です。
困ったときにはひとりで悩むことなく相談できる専門家がいると安心して事業を継続できます。
弊社でも相談に応じておりますので、口座開設などでお悩みの場合はご相談いただければ幸いです。