コロナ融資の返済期間を延ばす方法!資金繰りの救済策
新型コロナウイルスはいまだ収束の気配が見えません。
事業者のみなさまも、まだまだ売り上げ回復とはいかないケースが多いのではないでしょうか。
一方でコロナ融資の据置期間が終了し、返済開始が迫っている事業者も多くいらっしゃいます。
返済の見通しがつかないなか、このままでは倒産も現実味を帯びてきます。
それはなんとか避けたいところです。
そこで、今回はこの危機を乗り越えるための据置期間の延ばし方をご紹介します。
据置期間とは
据置期間とは、返済猶予期間ともいいます。
元金の返済が猶予され、利子だけを支払う期間のことです。
一般的な融資の据置期間は、半年から1年ほどで設定されるのが一般的です。
しかし、コロナ融資では最大5年間の据置期間を設定することができます。
多くの事業者の返済開始が迫る
最大5年間の据置期間が設定できるコロナ融資ですが、実は返済開始が迫っている、あるいはすでに始まっている事業者が多く見受けられます。
中小企業庁の発表によると、2020年12月末までに決定した融資のうち、据置期間を1年以内に設定したものは日本政策金融公庫で66%、民間金融機関で56%と半数以上にのぼるそうです。
コロナ融資が始まったころは
- 据置期間を5年ギリギリに設定すると審査に通りにくくなるかもしれない
- 新型コロナウイルスは数か月でおさまるだろう
据置期間を1年以内に設定した事業者や金融機関にはこのような考えがあったのだと思われます。
しかし、実際には据置期間を5年に設定しても多くの案件は審査を通過できています。
それに、コロナウイルスの影響はまだまだ続いています。
このまま返済が始まっても、返済のめどが立たない事業者はどうすればよいのでしょうか。
借り換えで据置期間の延ばそう
据置期間は借り換えをすることで延長することができます。
据置期間終了が迫っていて、返済が難しい場合はぜひ検討してみてください。
借り換えとは
借り換えとは、現在借り入れている金額と同額か、もしくは増額して新たな融資を受け、そこから現在借り入れている金額を返済することです。
新たに借り入れる際に据置期間を5年に設定すれば、据置期間を延ばすことができます。
大幅な増額は審査が厳しくなる傾向にありますが、少額、あるいは同額の借り換えについては比較的スムーズに審査を通過しているケースが多く見られます。
借り換えがおすすめな理由
借り換えのほかに据置期間を延長する方法としては「契約条件変更」があります。
これは「条件変更契約書」を新たに差し入れることで、現在の契約内容のまま据置期間のみ延長してもらうことです。
「契約条件変更」の場合は、新たに借り入れることが難しくなるというデメリットがあります。
借り換えなら増額することも可能です。
そのため、据置期間を延長するなら借り換えがおすすめです。
返済期間を延ばした事例
実際に借り換えによって据置期間を延ばした事業者の例をご紹介します。
担当者が借り換えについて把握していないケースもあるようですので、思い切ってこちらから提案してみることも必要です。
地方銀行の場合
ある事業者では、地方銀行の若い担当者に借り換えについて確認したところ、いったん保留されたのちに借り換え可能の連絡が来る、というケースがありました。
この担当者は借り換えを把握しておらず「こんな裏技があったなんて」と驚いていたそうです。
日本政策金融公庫の場合
日本政策金融公庫から融資を受けていた事業者では、返済のめどが立たなかったので据置期間の延長を検討していました。
しかし、公庫の方から「金額を少し増やして借り換えしてください」と指示があったそうです。
公庫でも借り換え対応の実績があります。
今後のことも考えれば、借り換えは検討の価値が高い手段といえるでしょう。
据置期間を延ばしたら借入期間も延ばせる?
据置期間を延ばしても、借入期間は延ばせませんので注意しましょう。
例えば据置期間が1年で、借入期間が10年の場合、元金の返済は9年かけて行います。
据置期間を5年にしても借入期間は同じく10年なので、元金の返済は5年で行わなくてはいけなくなるのです。
つまり、据置期間終了後の月々の返済額が大きくなるということです。
このような場合には、据置期間で発生した余剰資金をプールしておきましょう。
返済が始まったら、そのプールした資金で増額分の返済をおこなえば返済額の増加にも対応できます。
据置期間は延ばして返済の危機を乗り切ろう
コロナ融資における据置期間の延ばし方についてご紹介しました。
新型コロナウイルスの影響は、当初の予想をはるかに超えて長期間に渡っています。
据置期間を1年前後に設定してしまった場合は返済開始が迫り、資金繰りに苦労するかもしれません。
そんな時は借り換えをおこない、当面の危機をうまく切り抜けましょう。
政府や金融機関にとっても事業者の倒産は避けたいところです。
そのため、様々な支援策がありますし、場合によっては柔軟な対応をしてもらえることもあります。
最新の情報をキャッチしてこの危機を乗り越えましょう。