公庫の創業融資を成功させる!審査通過率をアップするには?
はじめて融資を受けようとするとき、訪れる機関といえば、やはり日本政策金融公庫ではないでしょうか?
公庫には女性向けの制度も用意されていますので、はじめて創業融資を考えているという女性には、申し込みしやすいといえます。
しかし、創業融資に申し込みをした事業者のうち、実際に融資を受けられる割合はどのくらいか、意外に知られていません。
公庫のある融資担当の方は、こんなことをおっしゃっていました。
「融資を希望される方のうち、審査を通過して実際に融資を受けられる確率は30%くらいです。」
この確率を聞いて、みなさんはどう思われるでしょうか。創業に特化した融資制度だから借りやすい、というイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、実際の成功確率は低いことがわかります。
融資が受けられない3つの理由
先の融資担当の方によると、融資が受けられない理由は、以下の3つが多いようです。
①自己資金不足
②経験不足
③事業計画書の内容が不完全
①や②の理由はなんとなく予想がつきますが、③については盲点だったかもしれません。
融資に必要な自己資金って、どのくらい?
事業を開始してすぐに利益を出せる事業者は稀で、ほとんどの方が事業を軌道に乗せるまでに時間がかかります。
事業を始めると、資金面で想定外のさまざな問題にぶつかることもあるでしょう。
もし、仮にぎりぎりの資金しか用意していない場合、なにか問題が起こったときに対応することは難しくなります。
もちろんこういった問題は起きない方がよいですが、事業者は万が一の場合に備えて、ある程度余分な資金を準備しておく方がよいでしょう。
では、融資受けるにあたって必要な自己資金は、具体的にどのくらいなのでしょうか?
一般的には、創業に必要な自己資金額の30%とされています。
融資の申し込みを検討する際には、これを目安にするとよいでしょう。
自己資金不足で融資を断られないために、知っておくべきこと
自己資金というと、自分が保有する現金や預貯金だけを想像しがちです。
しかし、融資を受ける際の自己資金とは、実は創業者以外の方からの出資でもかまわないのです。
ただし、一時的に借り入れて通帳記帳後すぐ返済するという、いわゆる「見せ金」は認められませんので、注意が必要です。
法人を設立する場合なら、資本金は自己資金として取り扱われます。
したがって、現在は資本金1円でも会社を設立できますが、融資という面からみると、少ない資本金では不利になります。
なお、不動産を所有されている方であれば、その不動産も自己資金として認められます。
経験不足でも知識やノウハウでカバーできる場合がある
事業をはじめるには、その事業に関して、それなりの経験と知識があることは必要条件です。
しかし、事業は、豊富な経験や知識があっても、すぐに軌道に乗るものではありません。
にもかかわらず、これらが不足していたのでは、「果たして事業はうまくいくのか?」 と融資をする側が心配になるのは当然です。
経験や知識が不足していては、 融資の担当者から事業の内容や計画を聞かれたときに、質問にきちんと答えることができません。
質問に対する回答があいまいであれば、「事業が上手くいかない可能性が高そうだ」とみなされ、融資を断られても仕方がない状況になってしまうのです。
しかし、経験が不足していても、それを補う要素があれば融資を受けることができる場合があります。
業界経験がないにもかかわらず、スポーツバー経営のための融資に見事成功した方の例をご紹介します。
その方は業界経験こそありませんが、徹底的に業界を研究し、経験不足を補うに十分な知識とノウハウを蓄えていました。
それを踏まえて、「これなら大丈夫!」と融資担当者が納得するような事業計画書を作成しました。
結果、その方は業界経験なしで、1,500万円もの借入れに成功したのです。
このように、経験不足でも事業計画書の内容が確かなものであれば、融資の可能性は高まります。
事業計画書で融資の可否が決まる!
前述のとおり、融資を受けるにはきちんとした事業計画書を作成することがとても大事です。
事業計画書は、すでに事業を開始されている場合は、過去の実績をもとに作成します。創業前の場合は、将来の収支を予測して作成していきます。
事業計画書には、将来かかるであろう費用や見込まれる売上金額、そのほか具体的な取り組みなどを記載します。
あわせて、その金額の根拠などを示す資料の提出を求められることがあります。
中途半端な事業計画書では融資をお断りされてしまいますが、記載した内容に矛盾がなく、算出した金額に整合性があると判断されると、融資の可能性はかなり高くなります。
最後に
創業融資は方法を間違えてしまうと、審査に通らず、融資を受けられなくなってしまいます。
①自己資金が十分に足りているか、②経験や知識が十分あるか、③創業計画書の内容が充実してしっかりしているか、この3点について、いま一度確認してみましょう。
特に、融資の審査に通るためには、充実した事業計画書の作成は必須です。
しかし、過去の実績がない事業計画書の作成は、初めての方にはとても難しく感じてしまうかもしれせん。
ご自身での作成が難しい場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。
特に女性の中には数字が苦手な方も多いでしょう。
起業する前につまずくことがないよう、事前に万全の準備をしておきたいものです。