個人事業主が支払う税金はいつまでにいくら?計算方法やスケジュール一覧
個人事業主になると、自分で税金の支払いの管理をしなければなりません。
遅れると追加徴収がかかる場合もあり、余計な出費がかさんでしまいます。期日までに忘れずに支払いたいところです。
しかし、
- 個人事業主が支払う税金って何があるの?
- 何をいつまでに支払えばいいのか分からない
- そもそもどうやって支払えばいいの?
など、なかなか税金に関することは分かりにくく、「困っている!」という場合もあるのではないでしょうか。
そこで今回は、個人事業主が支払う税金について、計算方法や支払時期などを説明します。
お役立ていただければ幸いです。
個人事業主が払う税金一覧と計算方法
個人事業主が支払う税金は、大きく分けて以下の通りです。
- 個人事業税
- 消費税
- 所得税
- 住民税
基本的に確定申告をしていれば、別途申告は必要ありません。
では、ひとつずつ詳しく解説していきます。
個人事業税
個人事業税とは、70種類の業種に当てはまる場合に支払わなければいけない税金です。
70業種とは、具体的に以下の業種です。
区分 | 税率 | 業種 |
---|---|---|
第1種 | 5% | 物品販売業 運送取扱業 料理店業 遊覧所業 保険業 船舶定係場業 飲食店業 商品取引業 金銭貸付業 倉庫業 周旋業 不動産売買業 物品貸付業 駐車場業 代理業 広告業 不動産貸付業 請負業 仲立業 興信所業 製造業 印刷業 問屋業 案内業 電気供給業 出版業 両替業 冠婚葬祭業 土石採取業 写真業 公衆浴場業(むし風呂等) 電気通信事業 席貸業 演劇興行業 運送業 旅館業 遊技場業 |
第2種 | 4% | 畜産業 水産業 薪炭製造業 |
第3種 | 5% | 医業 公証人業 設計監督者業 公衆浴場業(銭湯) 歯科医業 弁理士業 不動産鑑定業 歯科衛生士業 薬剤師業 税理士業 デザイン業 歯科技工士業 獣医業 公認会計士業 諸芸師匠業 測量士業 弁護士業 計理士業 理容業 土地家屋調査士業 司法書士業 社会保険労務士業 美容業 海事代理士業 行政書士業 コンサルタント業 クリーニング業 印刷製版業 |
3% | あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復 その他の医業に類する事業 装蹄師業 |
かなり幅広い業種が対象になっています。ご自身が当てはまっているかどうか、確認しましょう。
計算方式
個人事業税の計算方式は以下の通りです。
(収入 − 必要経費 − 各種控除 −(290万円【事業主控除】)× 税率 = 個人事業税の納付額
納付スケジュール
個人事業税の納付は年2回です。原則として、それぞれ以下の期日になっています。
- 第1期:8月31日
- 第2期:11月30日
消費税
前々年度の売上が、1,000万円を超えている事業者が支払わなければいけない税金です。
つまり、前々年度の実績がない、開業したばかりの場合は対象外です。
計算方式
消費税の計算方法は、課税対象の売上から仕入れなどの消費税を差し引いた金額です。
売上の消費税(10%) − 仕入れなど経費の消費税(10%) = 消費税の納付額
納付スケジュール
消費税の納付は、年度末までです。
2020年度分は、2021年3月31日までが期限です。
所得税
毎年の利益に対して支払う税金です。
売上ではなく、売上から経費を引いた後の純粋な収益が課税対象です。
また、所得税は累進課税方式で、収益が高いほど課税額が上がります。
これにプラスして、2013~2037年までは「復興特別所得税」(所得×2.1%)が加算されます。
計算方法
所得税の計算はまず、課税対象の所得額を計算します。
これは、単純に全部の収入から必要経費や控除などを差し引いた金額です。
1年間の総収入 − 必要経費 − 各種控除など = 課税対象の所得額
計算された課税対象の所得額に税率をかけます。
なお、控除額は2,400万円までは48万円です。
課税対象の所得額 × 所得額に応じた税率 − 課税控除額 = 所得税
納付スケジュール
2020年時点での直近のスケジュールは、以下の通りです。
なお、固定資産税の納付期限は、確定申告と同じ3月15日までです。
住民税
固定資産税と同様に、所得に対してかかる税金です。
ふるさと納税をしている場合、この住民税から一定額控除されます。そのため、なじみ深く感じることもあるかもしれません。
計算方法
住民税の計算は、所得税の金額を元に以下のように計算します。
所得税の金額 × 税(10%) − 税額控除 + 均等割(4,000〜5,000円) = 住民税
その他の税金
その他に、場合によって支払う必要のある税金です。
保有する資産によっては、払わなくてもよい可能性もあります。
- 固定資産税
- 納付時期:4期に分けて納付。時期は市区町村や年度で異なる。
- 土地などを持っている場合に必要な税金です。
- 自動車税・軽自動車税
- 納付時期:5月31日まで
- 車を所有する場合に必要な税金です。
これ以外にも、個人事業主の場合、国民年金や国民健康保険などの支払いも忘れないようにしましょう。
税金の支払いは国民の義務!忘れず支払いを
税金といっても、会社員であれば、給料から天引きということで意識しない人も多いでしょう。
しかし、個人事業主であれば、税金の支払いの管理も自分でしなければなりません。
忙しいなかではありますが、納税は国民の義務でもあります。
また、税金の滞納をした場合、融資の審査に影響が出る場合も多くあります。
ぜひスケジュール感をもって、漏れがないようにしましょう。