開業届の書き方や必要書類は?まるごと解説!
開業届の提出は、起業するにあたって欠かせない手続きです。
役所関係の書類というと身構えてしまうかもしれません。
しかし提出方法はとても簡単で、事業者としてメリットもたくさんあります。
開業届を提出するメリットや、提出する際のポイント、書き方や紛失などのトラブル解決法を解説します。
ぜひご一読ください。
開業届とは?
開業届は、個人で事業を始めるにあたって、必要な届け出です。
用紙1枚を税務署に提出すれば完了し、手数料もかかりません。
開業が決まったら、早めに提出することをおすすめします。
開業届を必ず提出しておくべき理由
開業届の提出は法律で定められているものの罰則はなく、提出しなくても事業を始めることは理論上可能です。
しかし、開業届を出すと青色申告や融資の申し込みができるようになるなど、大きなメリットがあります。
開業届を提出するメリットを解説します。
青色申告ができるようになる
確定申告には、青色申告と白色申告という区分があります。
開業届を提出すると、この青色申告ができるようになります。
青色申告の一番大きなメリットは、55万円(要件を満たし、e-Taxで申告する場合は65万円)の特別控除が受けられ、節税対策になることです。
しかも平成26年1月から、白色申告でも青色申告と同様に記帳と帳簿書類の保存が義務になりました。
作業があまり多くないのが白色申告の利点でしたが、今はそれがほとんどなくなりつつあります。その点でも、青色申告の方がメリットが大きいと言えるでしょう。
融資・補助金の申込ができるようになる
融資の申込や補助金の申請を行う際に、開業届の控えの提出を求められることがあります。
この場合、開業届を出していなければ申込すらできません。
事業拡大や予期せぬトラブルに対応するためにも、開業届は出しておくべきでしょう。
その他にも、以下のようなシーンで開業届の控えが必要になることが多いです。
- 屋号名義の銀行口座の開設
- 店舗・オフィスの契約
- 税理士と顧問契約の締結
開業届を提出するデメリットはほとんどありません。
メリットばかりなうえに、法律上では義務として定められています。
経営者として信用を獲得するためにも、事業開始とともに開業届を提出しましょう。
開業届の提出は簡単3ステップ
開業届の提出はとても簡単です。
- 開業地域の税務署を確認する
- 開業届を税務署でもらうかダウンロードする
- 税務署に持参、もしくは郵送する
開業地域の税務署は、国税局ホームページから確認できます。
提出方法は税務署に直接持ち込むか、もしくは郵送するかの二つの方法があります。
次は提出の際のポイントを解説します。
開業届を提出する時の3つのポイント
開業届を提出する際、3つのポイントがあります。
1つ目は、青色申告をするために必要な青色申告承認申請書も一緒に提出することです。
開業届の提出期限は事業の開始から1か月以内、青色申告承認申請書は2か月以内と定められています。
一緒に提出しなければならないものではありませんが、手間が省けるのでおすすめです。
2つ目は、提出の際は開業届と青色申告承認申請書、どちらも2通作成することです。
1通は提出用、もう1通は控えとして手元に残しておくためです。
特に開業届の控えは、融資や補助金の申請など、さまざまなシーンで必要になる可能性が高いので大切に保管しましょう。
3つ目は、郵送の際は返信用封筒と送付状をつけることです。
送付状には「控えを手元に残したいので、1通を返送いただきたくお願いします」と書くと丁寧です。
税務署に持ち込む場合は同じく2通提出し、窓口で控えがほしい旨を伝えましょう。
どう書けばいい?開業届と青色申告承認申請書の書き方
開業届は、用紙1枚でそれほど難しい書類ではありません。
しかし、事務所の移転や廃業したときにも使う書類なので、新規開業の場合はどこを記入したらよいのか、わかりづらいかもしれません。
開業届、そして一緒に提出したい青色申告承認申請書の記入すべきポイントをまとめました。
ぜひ参考にしてください。
開業届の書き方
- 開業に〇
- 提出する税務署名と提出日を記入
- 納税地や氏名・屋号など事業主に関する情報を記入
- 【届け出の区分】新設にチェック
- 【所得の種類】事業所得にチェック
- 【開業・廃業等日】開業日を記入
- 【開業・廃業に伴う届出書の提出の有無】開業届と一緒に提出する書類があればチェック
- 【給与等の支払いの状況】開業時から給与を支払う予定がある場合は記入
- 【源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の有無・給与支払いを開始する年月日】開業時から給与を支払う予定がある場合は記入
青色申告承認申請書の書き方
- 提出する税務署名と提出日を記入
- 納税地や氏名・屋号など事業主に関する情報を記入
- 青色申告を開始したい年度を記入
- 店舗や事務所が複数ある場合は記入
- 個人事業なので「事業所得」にチェック
- 過去に青色申告の取消しまたは取りやめがあれば記入、なければ「無」にチェック
- 開業日が申請書を提出する年の1月16日以降の場合は開業日を記入
- 相続で始業継承した場合のみ記入、そうでなければ「無」にチェック
- 55万円の特別控除を受けたい場合(1)は複式簿記にチェック、(2)は「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」「預金出納帳」「総勘定元帳」「仕訳帳」にチェック
開業届の控えを紛失した!トラブル解決法
開業時の慌ただしい日々の中で「開業届を出したかどうか覚えていない!」というケースを時々耳にします。
そのような場合には、開業届を再提出することで解決できます。
開業届は重複して提出しても、大きな問題にはなりません。
この時に開業届を2通用意し、必ず控えを受け取るようにしましょう。
また、「開業届の控えをとり忘れてしまった」「控えを紛失してしまった」という場合もあります。
その際は、開業届を提出した税務署に「保有個人情報開示請求書」を提出すれば、再発行してもらうことができます。
手数料は300円で、発行までに2週間から1か月ほどかかります。
開業届の控えがないことに気づいたら、早めに手続きをしましょう。
開業届の再発行は時間がかかるため、緊急で必要な場合には再提出でも対応できます。
開業届で起業の一歩を踏み出そう!
開業届は起業の第一歩です。
青色申告が可能になり節税対策になるほか、融資や契約など様々なシーンで個人の信用度を上げるツールになります。
提出の際は、必ず控えをとるのを忘れないようにしましょう。
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