NPO法人は小規模事業者持続化補助金を利用できるのか?

起業する際に、個人事業主としてや株式会社を設立するなど、事業形態を考えると思います。
さまざまな形態の中の一つである「NPO法人」も、事業を始めるときに候補の一つに挙げられるのではないでしょうか。
Contents
NPO法人とは

NPO法人(Non-Profit Organization)は、営利を目的としない、社会的・公共的な目的を達成するために組織された法人の形態です。これらの組織は、慈善事業、社会奉仕、文化・芸術の振興、教育など多岐にわたる目的を持っています。営利を目的としないため、得た収益はその目的のために再投資されるか、あるいは組織の維持・運営に充てられます。
NPO法人は、法的に独立性を持ち、自らの運営に責任を持つ法人です。会員や役員によって構成され、一般的には法人格を持っています。
NPO法人の設立条件

NPO法人を設立するには、いくつかの条件をクリアする必要があります。以下はその主なポイントです。
法的な資格者: 設立者(法的な資格を有する個人または法人)が必要です。一般的には、満20歳以上であることが要求されます。
設立趣旨と事業目的: NPO法人の設立趣旨や事業目的は、公益性が強調される必要があります。これには、社会的、文化的、教育的な目的などが含まれます。
会員: NPO法人には会員が必要です。これには個人や法人が含まれ、設立者や運営に参加することが期待されます。
理事: 組織を運営するための理事が必要です。理事には、法的な資格を有することが求められることがあります。
定款の作成: 設立にあたっては、定款を作成し、これが法令に適合していることが求められます。定款には法人の名称や目的、組織の構造、会員や理事の権限・義務などが明示されます。
申請手続き: 設立の意志を表明し、役所に申請手続きを行います。地方自治体や都道府県によって手続きが異なることがありますので、所在地の自治体の要件に従う必要があります。
NPO法人と他の事業形態との違い

一般的に認知度が高い事業形態は、株式会社ではないでしょうか。
NPO法人と耳にすれば、ちょっと敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、株式会社も「法人」の一つなのです。
NPO法人と株式会社の違い

NPO法人と株式会社には、どのような違いがあるのか、下記でご紹介します。
- NPO法人…非営利
- 株式会社…営利
二つとも「法人」ですが、営利か非営利なのかが、大きな違いになります。
株式会社は、営利法人ですから利益を上げることが目的です。
そしてその利益を、社員や株主たちに配当金として分配します。
対してNPO法人は、非営利法人ですから、団体内で働く人たちにお給料として支給をしても、株式会社のように利益を分配することはできません。
NPO法人と一般社団法人の違い

非営利の団体として、よく耳にするのが「一般社団法人」ではないでしょうか。
一般社団法人とNPO法人は、同じ非営利団体であることは同じですが、大きな違いがあります。
- 一般社団法人の事業内容は自由だが、NPO法人は約20種類の分野の活動に限られる
- 一般社団法人は事業者が設立するが、NPO法人は市民活動団体が法人格を取得する
非営利団体のNPO法人は、市民が主体となる団体で、その活動内容は「街を良くするため」と、不特定多数の人たちの利益に寄与することを目的としています。
起業して利益を出す団体ではなく、人々の手助けをする団体ですから、設立する目的がまったく違うものだと思って下さい。
小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金とは、商工会議所が実施する補助金です。
持続的に事業を継続するための計画を基に、様々な支援をしています。
商工会議所とは

商工会議所は、商工業を営む人たちが加入できる、公的な団体の一つで、法律に基づき設立されています。
商工会議所の加入は自由ですが、会員になれば経営に役立つ情報や、サービスを受けることが可能です。
未加入でも創業に関する相談も可能ですから、地域に根差した事業を始めたいと考えている人は、相談してみてください。
小規模事業者持続化補助金の支援内容

小規模事業者持続化補助金の支援内容は下記になります。
- 販路開拓
- 業務効率化の取り組み支援
- 上記に要した経費の一部を補助
事業を継続させるために必要な機材や資材を、購入する経費の一部を補助してくれます。
小規模事業者持続化補助金の対象者は?

小規模事業者持続化補助金の対象者を紹介します。
- 会社・会社に準ずる営利法人
- 個人事業主(商工業者)
- 一定の要件を満たしている特定非営利活動法人
対象者の幅が広いので、活用しやすい補助金ではないでしょうか。
小規模事業者とは?

小規模事業者持続化補助金の名前に記載されている「小規模」とは、どのような定義なのでしょうか。
中小企業庁に、小規模企業者の定義がありますので、ご紹介します。
【業種分類と中小企業基本法の定義】
- 製造業その他…従業員20人以下
- 商業(卸売業・小売業)・サービス業…従業員5人以下
業種と従業員の人数によって、小規模かどうかが判断されます。
商工会議所の小規模事業者の定義は?

商工会議所は、中小企業庁が定めた小規模企業者の定義よりも範囲が広くなります。
【小規模事業者支援法・中小企業信用保険法・小規模企業共済法より】
- 製造業その他…従業員20人以下
- 商業(卸売業・小売業)・サービス業…従業員5人以下
- 宿泊業・娯楽業…従業員20人以下
以前では、宿泊業や娯楽業は、サービス業内に分類されていましたが、政令改正により宿泊業や娯楽業も小規模企業となりました。
NPO法人は補助金を活用できるのか

NPO法人はこの補助金を活用して、事業を発展させることができるのでしょうか。
NPO法人は補助金や基金を利用できる?

NPO法人に関する法律である「NPO法人及び、NPO法人に関する法律」には、下記の記載があります。
- 資金調達や財産的基礎の維持をはかるため、基金制度の採用が可能
基金制度の利用は禁止されていないので、場合によっては補助金の利用も可能でしょう。
ただし補助金の種類によっては、利用条件がありますので、確認が必要です。
NPO法人は小規模事業者持続化補助金を活用できる?

小規模事業者持続化補助金には、補助を活用できない対象者も紹介されています。
- 医師・歯科医師・助産師
- 一般社団法人・公益財団法人・NPO法人
- 医療法人・学校法人・宗教法人など
ここに「NPO法人」がしっかり記載されていますので、小規模事業者持続化補助金の活用はできません。
NPO法人のメリット・デメリット

NPO法人は、設立が簡単にできるというメリットがありますが、デメリットがあるとすれば、どのような内容なのか気になりますよね。
NPO社団法人のメリット

NPO法人のメリットは下記になります。
- 社会的信用の向上
- 資本金0円での設立
- 税制面の優遇
- 持続性のある組織の運営
これだけを見ると、立ち上げる事業形態として「NPO法人がいいかも」と思うかもしれません。
NPO法人のデメリット

NPO法人には、デメリットが無い訳ではありません。
- 設立に時間がかかる
- 厳格な事務処理と手続きが必要
- 活動内容に制限がある
- 解散に手間がかかる
- 情報開示の要求が多い
上記でもご紹介したように、事業者持続化補助金を活用することはできません。
ですが「全ての補助金制度の利用が不可」ということではないので、受けられる他の補助金制度を探してみましょう。
NPO法人は小規模事業者持続化補助金を活用できる?|まとめ

NPO法人は、小規模事業者持続化補助金を利用できるかもしれないと考えた人は多いでしょう。
結論として、小規模事業者持続化補助金は、NPO法人では利用することはできません。
ですが、NPO法人でも活用ができる補助金制度はあります。
どのような補助金制度が利用できるのかや、事業をこれから起こす場合、自分たちの事業形態はどのような形で設立することがベストなのかを、迷っている人も多いのではないでしょうか。
そんな場合は、しっかりとしたアドバイスをくれる専門家に相談して、自分たちのベストな制度を活用していきましょう。