2024年12月まで!中小企業資金繰り支援施策のご紹介
新型コロナウイルスは、世界情勢に大きな影響を与えました。
現在は、かつてのように自由に出歩くことができるようになりましたが、経済的な打撃は今でも続いています。
そのため、企業の資金繰りを支援する施策の案内もされてきました。
ただ、政府の支援施策には期限があります。
この数年の売上を確認して、活用できる支援施策をしっかり活用していきましょう。
Contents
2024年12月末までの中小企業向け資金繰り支援リストは3つ!
政府の支援施策には、期限がありますので、確認しておきましょう。
下記の3つが、支援リストになります。
- コロナ経営改善サポート保証
- コロナ資本性劣後ローン
- 新型コロナウイルス感染症特別貸付(金利▲0.5%は廃止)
3つとも、2024年12月末までの支援施策です。
下記でそれぞれの支援施策の内容をご紹介します。
コロナ経営改善サポート保証とは
コロナ経営改善科ポート保証とは、中小企業が経営改善や事業再生をするために必要な資金を、保証付き融資で支援される制度です。
どのような事業者が利用できる?
コロナ経営改善サポート保証制度は、コロナ禍で債務を抱え、経営状況が苦しい企業が増えることを想定した施策になります。
利用できる対象者の範囲は「コロナの影響を受けた中小企業」です。
対象の幅が広いので、まずは制度を確認しておきましょう。
コロナ経営改善サポート保証の概要
コロナ経営改善サポート保証制度の概要をご紹介します。
- 保証限度額…2億8,000万円
- 保証割合…責任共有保証(80%)、ただし100%保証および、コロナ禍のセーフティネット保証5号からの借換の場合は100%保証
- 保証料率…0.2(国からの補助前…原則0.8%か1.0%)
- 金利…金融機関の所定による
- 保証期間…15年以内
- 据置期間…5年以内
中小企業活性化協議会や経営サポート会議の支援で作成した「経営改善・再生計画」にもとづいて、経営改善や事業再生をおこなうために必要な資金を、保証付き融資で支援されます。
コロナ資本性劣後ローンとは
コロナ資本性劣化ローンとは、「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付」の略称です。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けている企業や、事業再生に取り組んでいる事業者などを対象に、財務体質強化をはかるために資金を供給する特別貸付制度です。
コロナ資本性劣化ローンを活用できる人は?
コロナ資本性劣化ローンを活用できる人は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた法人、または個人企業で下記に該当する人になります。
- J-Startupプログラムに選定されている
- 中小企業活性化協議会の支援を受けて事業再生をおこなう方
- 上記に該当していないが、事業計画書を作成して、民間の金融機関からの支援体制が構築されている方
コロナ資本性劣化ローンの概要
コロナ資本性劣化ローンの概要は、下記になります。
- 融資限度額…7,200万円
- 返済期間…5年1カ月・7年・10年・15年・20年のどれか
- 返済方法…期限一括返済(利息は毎月払い)
- 利率…融資後3年間は0.50%、3年経過後は直近の決算により2区分の利率が適用
- 担保・保証人…無担保、無保証人
- 備考…金融機関の資産策定上、自己資本とみなされるなど
融資の留意点として、下記があります。
- 審査時に専用の事業計画書を提出
- 毎期ごとの経営状況の報告
専用の事業計画書の作成や毎期ごとの報告が必要ですが、「利率が業績に連動・無担保・無保証人」は、「経営者の不安が小さくなる」という利点になるのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症特別貸付
新型コロナウイルス感染症特別貸付は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的に業績が悪化している事業者を対象にしている貸付制度です。
新型コロナウイルス感染症特別貸付を利用できる人
新型コロナウイルス感染症特別貸付を利用できる人は、下記になります。
1)最近の1ヶ月間の売上高か、過去(最近の1ヶ月を含む)6ヶ月の平均売上高が、前年からいずれかの年の同期と比較して5%以上減少している
2)事業歴が3ヶ月以上1年1カ月未満の場合は、最近1カ月間の売上高または過去(最近の1ケ月を含む)6ヶ月の平均売上高が、下記と比較して5%以上減少している
- 過去3カ月
- 令和元年12月の売上高
- 令和元年10月~12月の平均売上高
3)債務負担が重くなっている
新型コロナウイルス感染症特別貸付の概要
新型コロナウイルス感染症特別貸付の概要は下記になります。
- 融資限度額…8,000万円
- 利率(年)…基準利率
- 返済期間…20年以内(据置期間5年以内)
- 担保…無担保
- 保証…要相談
保証に関しては、経営状態や返済が可能と見込まれる法人などの条件がありますので、確認してみましょう。
同額借換えによる返済据置延長は困難になる?
日本政策金融公庫や民間金融機関によると、「2024年7月以降、同額借換えによる返済据置延長はほとんど難しい」ということになる可能性が高くなるようです。
上記でご紹介した、3つの施策は2024年12月末まで延長されますが、コロナの資金繰り支援のほとんどは終了します。
ですが、円安に伴う資材費や経費などの、価格高騰等で苦しむ事業者向け制度「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」は継続していますので、忘れずにチェックしておきましょう。
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)とは
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)とは、社会や経済的な環境の変化により、一時的に業績が悪化している経営者の、経営基盤の強化をはかるための支援をする制度です。
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)を利用できる人は?
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)を利用できる条件は、どのような条件なのでしょうか。
下記で、条件の一部をご紹介します。
- 最近の決算期の売上高が、前期または前々期に比べて5%以上減少している
- 最近3カ月の売上高が、前年同期または前々年同期に比べて5%以上減少している、または今後も減少が見込まれる
- 社会的な要因による一時的な業況悪化で資金繰りに支障をきたしている、または支障をきたすおそれがある
社会的な要因で経営が悪化して、資金繰りが厳しくなっている状況の場合は、活用が可能です。
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)の概要
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)の概要をご紹介します。
- 融資限度額…4,800万円
- 返済期間…設備資金:15年以内・運転資金:8年以内
- 据置期間…3年以内
- 担保・保証人…要相談
- 利率…金融情勢により変動あり
事業の運営は、資材や設備のための資金も必要ですが、経営が厳しくなると、設備を維持するだけで精一杯になっている経営者も多いでしょう。
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)を活用して、増額借換を検討してみてください。
金融機関の融資方針は今後「厳しめ」に
2024年6月末より、国のコロナ資金繰り支援方針は大きく変わりました。
中小企業の資金繰り支援に関する、政府から公庫・金融機関への要請内容も変化しています。
金融機関の融資方針、中小企業支援方針も大きく変わっていくでしょう。
それにより金融機関の融資方針は、今後、厳しくなることが予想され、今までのような融資依頼の方法では貸してもらえない可能性が高くなります。
今後は、金融機関とのつきあい方が、より重要です。
ですが事業運営に集中している経営者にとっては、支援施策があっても、自分たちに合っているのか・申請をした方がいいのかを、迷ってしまうこともあるかもしれません。
活用したい施策があっても、申請方法が良くわからないという経営者もいると思います。
そのような場合は、しっかりした知識を持つ専門家に相談して進めていきましょう。