【東京2024】中小企業振興公社の戦略イノベの概要をご紹介
令和6年度から、東京都中小企業振興公社の「TOKYO戦略的イノベーション促進事業(戦略イノベ)」が始まります。
中小企業やこれから事業を始めようとする、スタートアップのための研究開発の助成や、事業化をするための支援事業です。
東京都が持っている課題を解決するための制度ですので、該当する事業に取り組もうと考えている経営者にとっては、見逃せない支援事業ではないでしょうか。
Contents
戦略イノベの特徴
TOKYO戦略的イノベーション促進事業(戦略イノベ)の特徴をご紹介します。
戦略イノベとは?
TOKYO戦略的イノベーション促進事業(戦略イノベ)とは、革新的な研究開発をおこなうために、必要な費用を助成してくれる事業のことです。
戦略イノベの特徴は?
「戦略イノベ」の大きな特徴は、下記になります。
- 研究開発費用が、3年間で最大8,000万円助成(返済不要)
- 使用できる経費の幅が広い
- 革新的な研究開発をおこなうために必要な費用を助成
戦略イノベの助成対象者
戦略イノベの助成の対象となる人をご紹介します。
戦略イノベの助成対象者は?
助成を受けることができる対象者をご紹介します。
- 都内の本店か支店で実質的な事業活動をおこなっている会社(中小企業)や個人事業者
- 都内で具体的に創業を計画している創業予定者
現在、事業をおこなっている中小企業や個人事業主だけでなく、これから事業を始める計画がある人も対象になります。
戦略イノベの助成対象外は?
戦略イノベを利用できない対象外のパターンをご紹介します。
- 社会福祉法人
- 医療法人
- 特定非営利活動法人
- 一般社団・財団法人
- 学校法人
- 有限責任事業組合など
公共の事業をおこなうことを目的にしている法人は、対象外となります。
戦略イノベの助成対象事業
戦略イノベの助成対象になる事業をご紹介します。
戦略イノベの助成対象事業は
戦略イノベの助成対象事業は、下記の研究開発が対象になります。
- 東京都のイノベーションマップの開発支援テーマに合っている開発
- 他の企業や大学・公設試験研究機関などと連携すること
- 早期に事業化を目指している開発
開発支援テーマとは?
東京都のイノベーションの開発支援テーマとは、どのようなものなのか気になりますよね。
開発支援の対象になるテーマは、下記に合致した開発です。
- 防災・減災・災害復旧
- インフラメンテナンス
- 安全・安心の確保
- スポーツ振興・障碍者スポーツ
- 子育て・高齢者・障碍者などの支援
- 医療・健康
- 環境・エネルギー・節電
- 国際的な観光・金融都市の実現
- 交通・物流・サプライチェーン
幅広い事業テーマに対応していますので、対象の事業を始めようと思う経営者は、申請を視野に入れてみましょう。
対象にならない事例は?
戦略イノベの経費の対象は幅が広いのですが、対象にならないケースもあります。
それは、下記のパターンです。
- 開業や運転資金などの、開発以外の経費
- 生産・量産のための機械設備の導入など
- 申請者が主にならない研究開発のための費用
開発に関わらない経費は、対象になりませんので注意しておきましょう。
戦略イノベの助成金額と助成率
戦略イノベの助成金額と助成率は、一番気になる部分ではないでしょうか。
戦略イノベの助成金額と助成率は?
助成金額と助成率は、下記になります。
- 助成限度額…8,000万円(下限額1,500万円)
- 助成率…助成対象と認められた経費の2/3以内
3年間で最大8,000万円の助成を受けることができます。
この助成金は、返済の必要が無いので、スタートアップを考えている人におすすめの助成金です。
戦略イノベの助成の対象になる経費は?
戦略イノベの助成の対象になる経費は下記になります。
- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具機具費
- 委託・外注費
- 専門家指導費
- 直接人件費
- 規格等認証・登録費
- 産業財産権出願・登録費
- 展示会等参加費
- 広告費
使用できる経費の幅がとても広いので、開発するだけでなくアピールにも使うことが可能ですよ。
戦略イノベの申請方法と審査方法
戦略イノベの申請と審査の方法をご紹介します。
戦略イノベの申請方法
助成金の申請は、下記の方法でおこないます。
①「gBizIDプライム」でGビズIDアカウント作成
助成金の申請方法は「GビズID」でアカウントを取得する必要があります。
「GビズID」は、デジタル庁(国)の公式ウェブサイトから取得できますが、「gBizIDプライム」でアカウントの作成が必要です。
「gBizIDプライム」でのアカウント作成方法は、公益財団法人「東京都中小企業振興公社」のホームページから確認できます。
ここで注意ですが「GビズIDアカウントの作成」は、2週間ほど時間がかかりますので、早めに申請しましょう。
GビズIDアカウントは、他の補助金の申請にも使われていますので、既に作成している人は、既に作成しているGビズIDアカウントを使用して申請しましょう。
②「Jグランツ」で申請書類の提出
申請書類の提出は「Jグランツ」での電子申請でおこないます。
書類を直接持参することや、郵便・FAX・電子メールなどでの提出では受理されませんので、必ずJグランツで申請をおこないましょう。
戦略イノベの審査方法
戦略イノベの審査方法をご紹介します。
審査の方法には、「経理審査」と「技術審査」の二つがあります。
【経理審査】
- 財務内容
- 事業の予算
- 資金確保状況など
事業の財務状況や資金に関しての審査です。
【技術審査】
- イノベーションマップと適合しているか
- 従来の技術ではない新しい開発(新規性)
- 従来の技術に対して優位であるか(優秀性)
- 市場の動向やニーズを把握しているか、販売の見込みなどの市場性
- 技術的な能力や社内外の体制などで、実現できるかどうか
- 適切な事業計画や資金計画であるか(計画の妥当性)
今までに無い技術の開発や研究であるかどうかが、審査のポイントになります。
戦略イノベの事業スケジュール
戦略イノベの事業のスケジュールをご紹介します。
申請には期間がありますので、合わせてご紹介しますね。
- 申請エントリー…2024年6月28日~8月6日(GビズIDアカウントでエントリー)
- 申請書提出期間…2024年8月8日~8月28日(Jグランツで申請)
- 一次 (書類) 審査…2024年8月下旬~11月下旬
- 二次(面接)審査…2025年1月上旬
- 助成対象者決定…2025年3月上旬
- 事務手続き説明会…2025年3月下旬
- 事業実施期間…2025年1月1日~(最長)2027年12月31日
- 事業の完了報告
- 完了検査
- 助成金確定通知
- 助成金請求
- 助成金の支払
助成金の支払いは、事業を実施して完了報告をした後になりますので、時間がかかります。
戦略イノベを活用しよう!
戦略イノベを活用することで、中小企業やこれから事業を始めたいと考えている創業者の方々は、革新的な製品・技術開発に取り組むチャンスを得ることができます。
自己資金で開発や研究ができれば問題は無いのですが、費用の心配はつきものです。
ですが「戦略イノベが利用できる」という選択肢があれば、嬉しいですよね。
戦略イノベの申請や書類の準備で、諦めてしまう経営者や創業者もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、的確なアドバイスをしてくれる専門家と一緒に進めることがおすすめです。
>>戦略イノベをしっかり活用したい経営者や創業者はこちら!