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【融資】厳しくなっている!創業融資の審査で事業者が知っておくべきポイント

創業融資  

今回は、最近「創業融資の審査が厳しくなっている」という現状について対策をお伝えします。

創業融資の審査基準が大幅に厳格化されているという声が業界内で急速に広がっています。特に、多くの創業者が利用する日本政策金融公庫(日本公庫)の新創業融資制度において、この傾向が顕著に表れています。以前は比較的通りやすいと言われていた審査も、今では高いハードルとなっているのが現状です。

審査の厳格化の背景



この背景には、以下のような複合的な要因があると考えられます。

1. コロナ禍での創業増加:
パンデミックの影響で、新たなビジネスチャンスを見出す人が増え、創業件数が急増しました。これにより、融資の申請数も大幅に増加し、審査側の負担が増大しています。

2. 経済環境の変化:
インフレーションや金利の上昇、国際情勢の不安定化など、経済環境が大きく変化しています。これにより、新規事業の成功リスクが高まっていると判断されています。

3. 融資実行後の返済状況の悪化:
過去に融資を受けた創業者の中で、事業が軌道に乗らず返済が滞るケースが増加しています。これが審査基準の引き上げにつながっています。

4. 政府の方針変更:
財政健全化の観点から、政府系金融機関の融資基準を厳格化する方針が打ち出されています。

審査で重視されるポイント



日本公庫の審査では、主に以下の点が従来以上に厳しくチェックされるようになっています:

1. 事業計画の具体性と実現可能性
単なるアイデアや構想段階のプランではなく、具体的な実行計画と、その実現可能性が重視されます。市場分析、競合調査、販売戦略などが詳細に求められます。

2. 資金計画の妥当性
必要資金の算出根拠、返済計画の現実性、自己資金の準備状況などが細かくチェックされます。特に、過大な借入申請や、自己資金が不十分なケースは厳しく審査されます。

3. 創業者の熱意と能力
事業に対する熱意はもちろん、経営者としての資質や能力が重要視されます。過去の職歴、専門知識、人脈などが詳しく評価されます。

4. 市場性と成長性
事業アイデアの新規性だけでなく、その市場性と将来の成長性が重要です。需要予測や市場規模の分析が求められます。

5. リスク管理能力
想定されるリスクとその対策が明確に示されているかがチェックされます。特に、最悪のシナリオへの対応策が重視されます。

事業計画書作成のポイント



審査を通過するためには、綿密な事業計画書の作成が不可欠です。以下のポイントに特に注意して作成しましょう。

市場分析と差別化戦略

– 市場規模や競合状況を具体的に分析:
単なる推測ではなく、信頼できる統計データや市場調査結果を用いて、ターゲット市場の規模や成長率を示します。また、主要な競合他社の特徴、強み、弱みを詳細に分析し、自社がどのように差別化を図るかを明確に説明します。

– 自社の強みや独自性を明確に示す:
なぜ顧客が自社のサービスや商品を選ぶのか、その理由を具体的に説明します。独自の技術、特許、ノウハウ、顧客基盤など、他社にはない強みを詳細に記述します。

– 顧客ニーズの深い理解を示す:
ターゲット顧客の具体的なペルソナを作成し、その顧客が抱える問題や欲求を詳細に分析します。自社の製品やサービスがどのようにしてそのニーズを満たすのかを明確に説明します。

収支計画の精緻化

– 売上予測の根拠を明確に:
単なる希望的観測ではなく、市場規模、想定シェア、販売単価、販売数量など、具体的な数字に基づいた売上予測を行います。また、月次や四半期ごとの詳細な売上計画を示すことで、より現実的な予測であることをアピールします。

– 固定費と変動費の内訳を詳細に記載:
人件費、家賃、水道光熱費などの固定費と、原材料費、外注費などの変動費を明確に区分し、それぞれの内訳を詳細に記載します。特に、人件費については採用計画と連動させ、事業の成長に合わせた人員増強計画を示します。

– 黒字化までの道筋を具体的に示す:
月次ベースでの損益計算書を作成し、いつ頃に損益分岐点を超えるのか、その後どのように利益を伸ばしていくのかを明確に示します。また、黒字化までの期間をどのように乗り切るのか、資金繰りの観点からも説明を加えます。

資金計画の妥当性

– 必要資金の算出根拠を明確に:
設備投資、運転資金、予備費など、必要資金の内訳を詳細に示し、それぞれの金額の算出根拠を明確にします。特に大きな金額を占める項目については、複数の見積もりを取得するなど、より慎重な検討を行ったことを示します。

– 自己資金の調達方法を具体的に記載:
自己資金の額とその調達方法(預金、不動産売却、親族からの借入など)を明確に示します。特に、借入金額が大きい場合は、自己資金の割合を高めることで、事業へのコミットメントをアピールします。

– 借入金の返済計画を詳細に示す:
月次ベースでの返済計画を作成し、売上や利益の予測と連動させて、無理のない返済計画であることを示します。また、返済原資の確保方法や、万が一の場合の対応策(個人保証、担保提供など)についても言及します。

創業者に求められる資質



日本公庫の審査では、創業者の資質も重要な判断材料となります。以下の点を意識して、自己アピールを行いましょう。

1. 業界経験や専門知識
関連業界での実務経験や、事業に直結する専門的な知識・スキルが重視されます。単なる興味や趣味レベルではなく、プロフェッショナルとしての深い理解が求められます。

2. 経営能力や実務スキル
財務、マーケティング、人事管理など、経営に必要な基本的なスキルが求められます。また、リーダーシップやコミュニケーション能力も重要です。

3. 創業への熱意と覚悟
なぜ起業を決意したのか、その動機や熱意が重要です。また、困難に直面しても諦めずに取り組む覚悟や精神力も評価のポイントとなります。

4. ネットワークと人脈
業界内の人脈や、協力者・支援者の存在が重要です。一人で全てを行うのではなく、必要に応じて適切な人材を巻き込める能力が求められます。

5. 学習能力と柔軟性
急速に変化するビジネス環境に適応できる学習能力と、状況に応じて柔軟に戦略を変更できる柔軟性が重要です。

自己アピールのポイント

– 過去の職歴や実績を具体的に記載:
単なる経歴の羅列ではなく、各職場で得た具体的なスキルや成果、そしてそれらが今回の創業にどのように活かせるかを詳細に説明します。特に、数字で示せる実績(売上増加率、コスト削減率など)があれば、それを強調します。

– 創業に向けた準備活動を詳細に説明:
市場調査、試作品の開発、潜在顧客へのヒアリング、関連資格の取得など、創業に向けて行ってきた具体的な準備活動を時系列で詳細に記述します。これにより、創業への本気度と計画性をアピールします。

– 将来のビジョンを明確に示す:
5年後、10年後の事業の姿を具体的に描き、そこに至るまでのマイルストーンを示します。単なる夢物語ではなく、現実的で具体的なビジョンを示すことで、長期的な視点を持った経営者であることをアピールします。

– 自己啓発や学習への取り組みを強調:
経営に関する書籍の読破、セミナーへの参加、メンターからの指導など、自己啓発や学習に積極的に取り組んでいることを示します。これにより、常に成長し続ける姿勢をアピールします。

審査通過のための戦略



厳しくなった審査を通過するためには、以下のような戦略が効果的です。これらの取り組みを通じて、事業の実現可能性と創業者の能力を具体的に示すことが重要です。

1. 徹底的な市場調査

– ターゲット顧客のニーズを深く理解:
アンケート調査やインタビューを実施し、潜在顧客の生の声を集めます。単なる表面的なニーズだけでなく、潜在的な欲求や課題も明らかにします。これらの調査結果を定量的・定性的に分析し、事業計画に反映させます。

– 競合他社の動向を詳細に分析:
主要な競合他社の製品・サービス、価格戦略、販売チャネル、強み・弱みなどを徹底的に分析します。また、競合他社の財務情報や顧客評価なども可能な限り調査し、自社の差別化ポイントを明確にします。

– 市場トレンドを的確に把握:
業界レポートや専門家の意見、最新の技術動向などを調査し、市場の将来性や成長性を多角的に分析します。特に、自社の事業に影響を与える可能性のある法規制の変更や技術革新などにも注目します。

2. 実績づくり

– 試作品の製作や顧客へのヒアリング:
可能な限り早い段階で試作品やプロトタイプを作成し、潜在顧客からフィードバックを得ます。このプロセスを繰り返すことで、製品やサービスの完成度を高めるとともに、顧客ニーズへの適合性を示します。

– SNSやブログでの情報発信:
事業のコンセプトや進捗状況、業界の最新情報などを定期的に発信します。これにより、潜在顧客との接点を作るとともに、自身の専門性や熱意をアピールします。フォロワー数や反応数なども、事業の可能性を示す指標として活用できます。

– 展示会やイベントへの参加:
業界の展示会やイベントに積極的に参加し、自社の製品やサービスをアピールします。来場者の反応や、得られた名刺の数なども、事業の可能性を示す具体的な指標として活用できます。

3. ネットワーク構築

– 同業者や関連業種の事業者との交流:
業界団体への加入や、勉強会への参加などを通じて、同業者や関連業種の事業者とのネットワークを構築します。これにより、業界の最新動向や、潜在的な協力者・パートナーを見つけることができます。

– 地域の商工会議所や創業支援機関の活用:
地域の商工会議所や創業支援センターなどが提供するセミナーや相談会に積極的に参加します。これらの機関は、創業に関する様々な情報や支援を提供しており、融資審査にも役立つ知識やネットワークを得ることができます。

– メンターや専門家とのつながり:
経験豊富な経営者や業界の専門家をメンターとして迎え、定期的にアドバイスを受ける関係を構築します。このような関係性は、事業計画の信頼性を高めるとともに、経営者としての成長にも繋がります。

4. 業界特性を考慮した準備

特に審査が厳しくなっている業種があります。ここでは、実際に融資が断られた案件を例に、業界ごとの注意点をご紹介します。

断られた案件その①:飲食業での創業

飲食業は参入障壁が低く、競争が激しい業界です。そのため、審査では特に以下の点が重視されます:

– 立地の妥当性:
人通りや競合店の状況、賃料などを綿密に調査し、その立地を選んだ理由を明確に説明する必要があります。

– 差別化戦略:
単に「美味しい料理を提供する」だけでは不十分です。ターゲット顧客、提供する料理のコンセプト、価格帯、サービスの特徴など、競合店との明確な差別化ポイントを示すことが重要です。

– 経験とスキル:
飲食業での経験や、調理師などの関連資格の有無が重視されます。経験が不足している場合は、研修や修行の計画を具体的に示すことが求められます。

– 衛生管理と安全対策:
食中毒などのリスク管理策や、コロナ禍における感染症対策なども詳細に説明する必要があります。

断られた案件その②:美容室の開業

美容室も競争が激しい業界の一つです。審査では以下の点が特に重要視されます:

– 顧客基盤の確保:
新規開業の場合、どのように顧客を獲得するのかの具体的な戦略が求められます。SNSマーケティングや紹介制度など、実現可能な集客計画を示す必要があります。

– スタイリストとしての実績:
美容師としての経験年数や、これまでの顧客数、リピート率などの具体的な実績が重視されます。ポートフォリオや顧客の推薦状なども効果的です。

– 教育システム:
スタッフの採用・育成計画も重要です。技術向上のための研修制度や、キャリアパスの設計など、長期的な人材育成の視点が求められます。

– 設備投資の妥当性:
高額な設備投資が必要な場合が多いため、その必要性と投資回収計画を詳細に示す必要があります。中古設備の活用なども検討し、初期投資を抑える工夫も評価されます。

創業融資の審査厳しくなる中、専門家のサポートを受けることが成功の鍵

対面

創業融資の審査が厳しくなっている現状は、創業を目指す方々にとって大きな課題となっています。

しかし、この厳しい審査基準は、単なる障壁ではなく、むしろ自身の事業計画を磨き上げる機会ではないでしょうか。

綿密な市場調査、実績づくり、ネットワーク構築、そして専門家の活用など、これらの取り組みは融資審査を通過するためだけでなく、事業の成功確率を高めるためにも不可欠な要素です。

審査基準が厳しくなったからこそ、より強固な事業基盤を築くチャンスと考えることができるでしょう。

創業融資の申請や事業計画の策定でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。一緒に、夢の実現に向けて第一歩を踏み出しましょう。

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