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【融資】事業性評価推進法の注目点、企業価値担保権とは?

 2024/12/03 融資  

金融機関に融資を申請する時、土地や経営者保証という「担保」が必要なケースが多いですよね。

ですが2024年6月に融資に関わる新しい制度が成立しました。

この制度により、金融機関の融資が変わり、資産が少ない経営者も融資を受けるチャンスが広がるかもしれません。

金融機関の融資が変わるきっかけ「事業性評価推進法」

2024年6月に「事業性評価推進法」が成立しました。

事業性評価推進法とは、下記になります。

  • 事業者が、従来の不動産の担保や経営者保証ではなく、事業の実態や将来性に着目して融資を受けやすくする
  • 事業性融資の推進に関して「基本理念」・「国の責務」・「事業性融資推進本部」・「企業価値担保権」・「認定事業性融資推進支援機関」などについて定める

この法律の最大の目玉は「企業価値担保権」です。

企業価値担保権により、これから金融機関の融資が変化していくかもしれませんね。

「企業価値担保権」とは?

企業価値担保権とは「無形資産を含む事業全体を担保にする制度」です。

無形資産とは、どのような資産なのでしょうか。

無形資産とは

無形資産とは、土地や建物などの形のある資産ではなく、事業のノウハウや顧客基盤などの形の無い資産のことです。

企業価値担保権の目玉

企業価値担保権の目玉は、事業全体を担保にできる点です。

事業全体を担保とすることのメリットをご紹介します。

  • 土地や建物が無くても、融資を受けることが可能
  • 企業価値担保権を設定すれば、経営者保証は基本的に不要

今までの事例では、起業したばかりの事業者は「経営者保証」や「担保」が、融資の時に必要な場合が多かった傾向がありました。

ですが、この企業価値担保権を設定すれば、形のある有形資産が無く、起業したばかりの事業者でも、資金調達がしやすくなるというメリットがあります。

「企業価値担保権」の設定方法

企業価値担保権の設定は、信託契約になります。

それぞれの立場(呼び方)をご紹介

それぞれの立場(呼び方)は、下記になります。

  • 申請する事業者・企業を「借り手」
  • 金融機関は「貸し手」という立場で資金援助(融資)
  • 信託会社は「担保権者」という立場で、企業価値担保権の制度を運用

信託業免許を持つ「企業管理担保権信託会社」が担保を管理します。

どのようなルートになる?

実際にどのようなルートになるのか、紹介しますね。

  • 信託会社(担保権者)が、借り手に企業管理担保権に関する制度の概要を説明
  • 貸し手と担保権者が、借り手(事業者・企業)に援助(融資)をする

信託業免許は、金融機関も簡単な手続きで交付される予定です。

ですので「貸し手(金融機関)」と「担保権者」が同じ(金融機関)となるケースも、今後おそらく多くなると思われます。

企業担保権の実行手続き

企業担保権の実行手続きの流れをご紹介します。

(1)担保権の実行手続きの開始

担保権の実行手続きを始める時は、債務の弁済が滞った時から始まります。

「債務の弁済」とは、借りたお金を返すことです。

借りたお金を返せなくなり、返済が滞った時に、企業担保権を実行するための手続きが始まります。

  • 担保権者が裁判所に申し立て
  • 裁判所が事業の経営を担う管財人を選んで任命する
  • 事業を継続するために必要な、商取引債権・労働債権を優先して弁済

事業を継続しつつ、企業の価値を下げないように維持します。

(2)事業譲渡

事業の譲渡は、裁判所から任命された管財人がおこないます。

  • 管財人は、事業の経営などをしつつ、スポンサーへ事業を譲渡する
  • 事業を譲渡する時には、裁判所の許可を得る

事業譲渡は、裁判所の監視下でおこなわれ、事業内容を解体するのではなく、事業全体が譲渡(承継)されます。

事業を継続しながら譲渡されるので、今まで働いていた従業員の雇用も引き継がれますし、事業の価値が下がることもないでしょう。

(3)配当

金融機関である貸し手は、配当を受けることで、融資金の回収をします。

  • 管財人が事業譲渡の対価の中から、貸し手の融資分を充当
  • 一般の債権者のためにも、対価の一部を確保する

企業価値担保権における課題とその解決法

企業価値担保権を活用するためには、大きな課題があります。

それは「全資産の担保価値を、どのように評価をするのか」です。

事業(担保)の価値

スーツ姿の女性

事業全体が担保といいますが、その事業にどれだけの価値があるのかは、判断が難しいという点があります。

経営者から見れば、とても価値がある事業ですが、金融機関から見れば「そこまでの価値は…」と低めに評価されてしまうかもしれません。

価値を知るための解決方法

無形資産の内容も、詳しく知る必要があります。

無形資産は、形があるものではありませんし、外から見るだけでは、判断がつきません。

ですが企業側からすれば、無形資産の価値を高めておけば、希望の融資に進めることができる可能性が高まります。

そのためには、企業側から金融機関へ適切な情報を伝えていきましょう。

金融機関とコミュニケーションを取ることで、良い関係を築きつつ、自社の価値を伝えていきましょう。

2026年末までに施行!「認定事業性融資推進支援機関制度」導入

金融機関は、無形資産を含む事業全体の価値を、把握することが第一の課題です。

そこでその補完として「認定事業性融資推進支援機関制度」が導入されます。

認定事業性融資推進支援機構制度の内容は、下記です。

  • 企業価値担保権の活用を支援
  • 事業性の融資の専門的な知見を持っていて、事業者や金融機関に助言や指導をおこなう機関

2026年までに施行予定ですので、どれだけ稼働するかは、実際に稼働してみないとわかりません。

ですが専門知識を持っている機関が、第三者の立場で助言をしてくれるのですから、実際に稼働が始まれば、企業担保権を使った融資に対して、とても力強い味方になってくれるでしょう。

新しい融資制度が始まるときがチャンス!

新たな融資制度が導入されるとき、最初のうちは審査が甘めになる傾向があります。

制度の知名度が広がり、活用する企業が増えれば、制度も定着するので、融資審査も厳しくなるかもしれません。

ですので、融資を希望している事業者は、新しい融資制度を活用することがおすすめです。


新しい制度は、利用した人もまだ少ないですから、確実に融資を受けるために、知識のある専門家と一緒に進めていきましょう。


>>新しい融資制度を活用して、成功したい経営者はこちら!

 

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