1. TOP
  2. 融資
  3. 【公庫】コロナ融資の返済を軽減!危機対応後経営安定資金

【公庫】コロナ融資の返済を軽減!危機対応後経営安定資金

融資  
スーツ姿の女性

自然災害や感染症などの影響も少なくなり、世間が落ち着きを取り戻しつつあるけれど、景気は回復したとも言えず…。

さらにコロナ融資の据置期間が終了したため、返済も始まり…という状況の中で、経営の立て直しも上手くいかず、資金繰りが厳しい。という企業も多いのではないでしょうか。

そんなさなか公庫から、コロナ融資の返済を軽減できる制度が開始されました。

その制度とは「危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)」です。

今回は、危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)制度と、併用することで経営者の負担を軽くすることができる制度もあわせてご紹介します。

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)とは

公庫の、コロナ融資の返済を軽減できる新しい融資制度「危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)」とは、どのような制度なのでしょうか。

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)の概要

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)は、感染症や災害の影響で、融資や資本性ローンを利用していた経営者の、債務返済の負担を軽減するための制度です。

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)の概要は下記になります。

  • 使用用途…債務返済の負担を軽くするための運転資金
  • 限度額…7,200万円
  • 利率…基準利率
  • 返済期間…20年以内(据置期間は2年以内)
  • 併用可能な特例制度…経営者保証免除特例制度・賃上げ貸付利率特例制度

最長2年以内と据置期間も長く、さらに「最長20年以内」と長期の返済期間が認められれば、負担もかなり軽くなりますよ。

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)を利用できる事業者は?

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)を利用できる事業者は、下記になります。

過去に大規模な災害や感染症などの影響を受け、債務の返済が負担となっているが、将来的に業績が回復して事業の発展が見込まれ、下記の(1)と(2)に該当している事業者。

(1)下記の貸付制度のどれかに貸付金がある事業者

  • 新型コロナウイルス感染症特別貸付
  • 新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付
  • 新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付
  • 危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)

(2)債務負担が重くなっている事業者(要件あり)

(1)の中で紹介されている「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付」を利用している方は、危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)を活用することをおすすめします。

新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付は「コロナ資本性ローン」と呼ばれている制度です。

下記で「資本性ローン」の紹介をおこなっていますので、参考にしてみてくださいね。

(2)債務負担が重くなっている事業者の要件とは

制度を利用できる事業者として「(2)債務負担が重くなっている事業者」という項目があります。

この項目の要件とは、下記です。

  • 直近の決算書から下記の式で計算をして、債務償還年数が13年以上かかる事業者
  • 債務償還年数を出す計算式…全負債額/(減価償却前経常利益×1/2+減価償却費)

この計算式で、債務償還年数を知ることが可能です。

債務償還年数が13よりも少ない場合は、制度の利用ができませんし、13よりも多い場合は制度の利用ができる可能性が高くなります。

減価償却費の金額がポイントになる?

この危機対応後経営安定資金制度が利用できるかどうかは「減価償却費の金額」がポイントになります。

減価償却費とは、使用する期間が長い高額な設備や装置(固定資産)などを「決められた耐用年数」分、分割して計上する会計処理の費目のことです。

下記が一例になります。

  • 高性能パソコンを80万円で購入(仮に耐用年数を5年とする)
  • 5年間、1年に16万円ずつを「減価償却費か固定資産」として計上

そして計算式の中にある「減価償却前経常利益」とは、経常利益(企業の全ての業務で得られた利益)と減価償却費を足したものです。

経常利益が赤字だった場合、毎年、計上される額が決まっている減価償却費の金額の多さによって、債務償還年数が変わるため、減価償却費が制度を利用できるかのポイントになります。

  • 減価償却費が少ない場合…債務償還年数が多くなり、危機対応後経営安定資金制度が利用できる可能性が高まる
  • 減価償却費が多い場合…債務償還年数が少なくなり、危機対応後経営安定資金制度の利用が難しくなる

直近の決算書を見ながら、ぜひ計算してみてくださいね。

ただし、上記で紹介している計算式は目安の一つです。

より細かい要件での審査もあるため、債務償還年数が13よりも多くても、制度の利用は不可というケースもあります。

資本性ローンとは

新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付とは「コロナ資本性ローン」と呼ばれていますが、資本性ローンとはどのような制度なのでしょうか。

資本性ローンには、それぞれの制度によって多少の違いがありますが、下記のメリットがあります。

<資本性ローンのメリット>

  • 無担保・無保証人
  • 返済期間が長い(5年~15年)
  • 金融検査上で自己資本とみなされる
  • 業績(利益)によって利率が変動する

経営者が保証人になる必要がないので、安心ですよね。

ですがデメリットもあります。

<資本性ローンのデメリット>

  • 審査が厳しい
  • 返済期限日に元金一括返済(元金の分割払い・繰り上げ返済は不可)
  • 利益(収益)がアップすると利率が上がる

資本性ローンの1番のデメリットは「一括返済」という点ではないでしょうか。

返済期限日までに、資金の用意ができればいいのですが、間に合わない場合もありますよね。

「一括返済分の資金の用意が難しい」という場合には、危機対応後経営安定資金制度への借換をおこなうことで、返済期限日に一括返済ができますよ。

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)は増額借換ができる?

電卓を持つ女性

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)制度は、増額借換ができるのでしょうか。

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)は、同額借換が基本ですが、状況によって増額借換が可能な場合もあります。

申請する際に、担当者に相談をしてみてくださいね。

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)のメリット「経営者保証免除特例制度の併用が可能」

危機対応後経営安定資金制度のメリットは「経営者保証免除特例制度」が併用できることです。

他にも併用できる制度がありますが、今回は経営者保証免除特例制度についてご紹介します。

公庫の経営者保証免除特例制度とは

スーツ姿の女性

公庫の経営者保証免除特例制度とは「経営者保証に関するガイドライン」に対応する制度です。

金融機関で融資を利用する際に、経営者が保証人になることや担保を求められるケースがありますよね。

経営者が保証人になれば、融資を受けられる可能性が高くなりますが、もしもの時には経営者だけでなく、経営者の家族にも負担がかかります。

そのため、既に融資が実行され経営者が保証人になっている場合でも、将来、保証人を外すために、他の制度への借換を検討している経営者もいるのです。

公庫の経営者保証免除特例制度を利用すれば、経営者が保証人になる必要もなく融資を受けることが可能になります。

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)制度を利用する際には、経営者保証免除特例制度を併用することを検討してみてくださいね。

公庫の経営者保証免除特例制度の概要

女性がパソコンを見ながらノートをとっている

公庫の経営者保証免除特例制度の概要をご紹介します。

  • 利用できる人…定められたいずれかの要件を満たし、経営状況から借入返済が可能と見込まれる法人
  • 利率…利用できる人の定められたそれぞれの要件により、上乗せ利率が変わる
  • 担保や保証人…経営者の保証が免除。担保の提供の有無は選択可

定められた要件や他の貸付条件などを詳しく知りたい方は、お気軽にご連絡くださいね。

経営者保証免除特例制度を併用して、危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)に借り換えることで、今まで利用していた融資制度の経営者保証を外すことが可能になります。

公庫のコロナ融資の返済に悩んでいたら専門家に相談しよう

スーツ姿の女性

コロナ融資の猶予期間が終了して、融資の返済が始まり、さらに厳しい状況に陥っている経営者もいるのではないでしょうか。

危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)は、そのような経営者におすすめの新制度ですが、上記で紹介している内容だけでなく細かい要件が設定されています。

事業の運営に忙しい経営者の皆さんは、自分たちの状況で危機対応後経営安定資金(セーフティネット貸付)を利用できるのかを判断することは難しいですよね。

そのような場合は、しっかりした知識を持っている専門家に相談しましょう。

そして経営者保証免除特例制度も利用して、無理の無い事業運営をしていきましょうね。

>>コロナ融資の返済の負担を減らしたい経営者はこちら!

\ SNSでシェアしよう! /

小規模企業が補助金と融資で事業拡大へ 資金調達はマイクリエイトの注目記事を受け取ろう

スーツ姿の女性

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

小規模企業が補助金と融資で事業拡大へ 資金調達はマイクリエイトの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • 【融資】経営者(役員代表者)貸付に生命保険を利用する方法

  • 融資の団信とは!つけるメリットとつけない場合どうなる?

  • 設備資金で借りた融資を運転資金にするのは違反になる?

  • 個人事業主でも使える!最大26万円のベビーシッター補助金

  • 【終了】2024年6月まで!コロナ融資は今がチャンス

  • 新規事業で公庫の融資は可能?事業計画書の書き方の注意点