【融資】複数の金融機関と取引、最適な行数をご紹介!

事業を運営していると、必然的に金融機関とお付き合い(取引)をしなければなりません。
法人口座の開設だけでなく、資金調達の一環として融資を依頼することもありますよね。
そのためメインバンクとして、必ず1行はお付き合いのある金融機関があるでしょう。
自分たちと相性のいい金融機関を、メインバンクとして活用することは大切ですが、お付き合い(取引)をする金融機関は1行だけでいいのでしょうか。
もしもの時のために、複数の金融機関と繋がりを持っていたほうがいいのかもしれませんよね。
では、何行の金融機関とお付き合い(取引)をしておいた方がいいのかどうかをご紹介します。
Contents
事業者が金融機関に求めるもの

まずは事業者(経営者)が金融機関に求めるものとは、どのようなものがあるのでしょうか。
「事業者が金融機関に求めるサービス」という資料の中から、具体的にご紹介します。
- 継続的な取引と不況の時の支援
- 事業内容を理解
- 借入の時の金利の低さ
上記をみると、融資に関しての物が多いですよね。
経営者は金融機関に融資(資金調達)を求める場合は、事業者に寄り添ったサービスを提供してほしいと願っているということだと思います。
取引金融機関の「数別」で見るそれぞれの割合

上記で参照した「事業者が金融機関に求めるサービス」という資料は、経営者の声だけではなく、下記の検証も行われています。
- 倒産割合
- 業績
- 適時の支援
それぞれをご紹介しますね。
倒産割合

基準年の時点で、取引のある金融機関の数と、企業の倒産割合が記載されています。
- 取引金融機関数が1~2行の事業者は、6行以上と取引をおこなう事業者と比較した場合、倒産割合は半分以下
取引をする金融機関の数が多い場合よりも、取引の数が少ない方が倒産する割合は低いということです。
業績

取引金融機関の数によって、業績に変化があるのかも検証されています。
- 1~2行の金融機関との取引の場合、3行以上の金融機関と取引がある場合と比べて、融資総額に関わらず、業績が改善している
複数の金融機関とつながりを持つことも大切ですが、たくさんの金融機関と取引があるということは、業績の回復に影響は及ぼさないようです。
1~2行の金融機関との取引がある場合は、業務が改善する傾向があると記載されています。
ですので、多くの金融機関とつながりを持つよりも、2行の金融機関と良い関係を作っておくといいかもしれません。
適時の支援

事業者(経営者)が望む時に、適切な支援を受けることができれば、とても助かりますよね。
支援に関しても調査されていますので、ご紹介します。
- 取引行数が少ない・関係が複雑化していない方が、事業が悪化している時に金融機関からの支援の際の制約が少ない
- 適切な支援が、遅延せずに実施される可能性がある
取引をしている金融機関が多ければ、いざという時に心強いですが、それぞれの金融機関から「支援するための条件」を求められる可能性があります。
その条件が事業者にとって、負担の少ないものであれば良いのですが、条件が厳しい場合もありますよね。
中小企業にとって最適な取引金融機関数は?

上記でもご紹介している「事業者が金融機関に求めるサービス」という資料には、最適な取引をする金融機関の数も紹介しています。
資料の中では「1行か2行」と言われていますが、1行ではなくて2行の方がいいのでしょうか。
取引している金融機関が1行の場合

取引をしている金融機関が1行の場合の問題点をご紹介します。
- 金融機関に依存した状態になる
- 金融機関の立場が強くなる
取引をする金融機関が1行のみの場合、金融機関からの条件をのまないと融資を実行されないという状態になるため、金融機関の立場が強くなります。
そしてさらに、もしも金融機関から融資を断られてしまったら、資金調達の方法が無くなってしまう可能性も考えられますよね。
取引している金融機関が2行の場合

取引している金融機関が2行の場合は、どのような状況になるのでしょうか。
- 両方の金融機関へ融資の依頼をした場合、融資条件を比べることできる
- 片方の金融機関から融資を断られても、もう1行の金融機関では融資が実行されることもある
金融機関によって、融資審査の基準に違いがあります。
そのため経営者に求める条件も変わりますので、2行から出された条件を比べて、どちらで融資を受けるかを選ぶことが可能です。
そして融資審査の基準が違うため、片方の金融機関で融資を断られたとしても、もう片方の金融機関では融資が通ることもあります。
中小企業・小規模企業が、1行取引のままでいる背景や理由

中小企業や小規模企業の経営者は、メインバンクが1行のみの場合が多いのではないでしょうか。
その理由をご紹介します。
メインバンクが1行の理由

メインバンクを1行のみとしている経営者側の理由として、下記のケースが多いのではないでしょうか。
- メインバンクから必要な融資を、既に受けられているから
- 1行との取引の方が、事務作業が少ないので、本業に専念できる
- 2行目の金融機関を探す時間が惜しい
事業に集中したい経営者側からすると、親密な関係を築けている金融機関が1行あれば十分と思っている傾向があります。
取引金融機関が1行なのは、心情的なものもある?

メインバンク以外の金融機関と取引を開始しようとすると、メインバンクに対して遠慮してしまう経営者も多いのではないでしょうか。
- 現在、取引のある金融機関との関係は良好なので、他の金融機関との取引は不義理ではないかと感じてしまう
- メインバンクと長いお付き合いをしているので、他の金融機関と取引を始めたら、今までの良好な関係が崩れそうな気がする
取引をしている金融機関との関係を大切に考えていることは、とても素晴らしいことです。
そのために他の金融機関と関係を作ろうとすると、メインバンクに対して後ろめたい心情になってしまうのでしょう。
金融機関は融資に対してシビア

金融機関と親密なお付き合いをしていると、どうしても他の金融機関との取引を始めることに躊躇してしまうかもしれません。
ですが金融機関はとてもシビアです。
基本的に金融機関は「将来性のある事業」に対してしか融資を実行しません。
もしも「いざ」という時に、メインバンクに融資をお願いして、断られてしまったら、とても困りますよね。
複数の金融機関とつながりを持とう

もしもメインバンクから融資を断られたら、とても困りますよね。
そのようなことにならないように、複数(できれば2行)の金融機関と良い関係を作っておくことをおすすめします。
新規顧客に対する金融機関の対応

金融機関が融資をするのは、関係の良い経営者にですが「ただ仲が良い」だけでは融資を実行しません。
- 事業内容
- 財務内容
- 業績
- 経営者の考え方や経営姿勢など
上記の内容を吟味してから、金融機関は融資を実行します。
ですので、今までお付き合いのなかった企業に対しては、融資を実行することは、ほぼありません。
金融機関からしてみれば、上記の内容を知らないまま融資を実行することは「リスク」にしかならないからです。
そのため複数の金融機関とお付き合いをしておくことが、とても大切になります。
複数の金融機関とのお付き合いがおすすめ

メインバンクとしか取引をしていない企業は、もう1行取引できる金融機関を作っておくことがおすすめです。
事業を運営するためには、もしもに備えるリスク管理も大切ですよ。
ですが事業の運営で忙しい経営者は、後回しにしてしまう傾向がありますし、どの金融機関が自分たちに合っているのかを、調べることも大変ですよね。
そんな場合は、的確なアドバイスをしてくれる専門家と一緒に、自分たちに合った金融機関を探して、良い関係を作れるように計画を立てていきましょう。