新たなチャンス!改正された「早期経営改善計画策定支援」
このたび「早期経営改善計画策定支援」が改正され、より使いやすくなりました。
「早期経営改善計画策定支援」とは、中小企業の経営改善を支援するための制度です。
この制度を利用すると、専門家のアドバイスを受けながら、自社の経営改善計画を作成することができます。
今回は、この改正の内容と、それがどのように中小企業の経営改善を後押しするのかについてご案内をします。
なぜ改訂されたのか?
この改正は、中小企業を取り巻く経営環境の急激な変化に対応するために行われました。
新型コロナウイルスの影響や物価高騰、人手不足、デジタル化の進展など、中小企業を取り巻く経営環境が大きく変化しています。
これらの変化に柔軟に対応し、事業の収益力強化や生産性向上に取り組むことが、中小企業の生存と成長にとって重要になっています。
また、金融庁が「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」等の一部改正案を公表し、融資先の早期の経営改善・事業再生支援を先送りせずに取り組むよう促していることも背景にあります。
特に、コロナ禍での資金繰り支援フェーズから、事業者の実情に応じた経営改善・事業再生支援フェーズへの転換が求められているのです。
さらに、2023年7月以降、民間ゼロゼロ融資の返済が本格化していることも踏まえ、問題を先送りせず、金融機関による経営改善・事業再生支援の一層の推進を図る必要性が指摘されています。
これらの背景を踏まえ、この改正は、より多くの中小企業が早期に経営改善に取り組めるよう支援対象を拡大し、経済的負担を軽減することで、中小企業の持続的な成長と経営基盤の強化を促進していきたいという意図があるのです。
この改正により、借入金の返済に問題がなくても業績向上を目指す企業も支援を受けられるようになり、より包括的な経営改善の取り組みが可能となりました。
改正のポイント
具体的には、資金繰り計画、ビジネスモデル俯瞰図、アクションプランといった計画策定をサポートをします。
今回の改正では、主に以下の点が変更されました。
1. 対象範囲の拡大
融資総額4,000万円以下の企業
保証債務残高が2,000~4,000万円の企業も対象に
2. 実施期間の延長
2028年1月まで利用可能に
| 改正後 | 改正前 |
実施期間 | 2025年2⽉〜2028年1⽉ | 2024年2⽉〜2025年1⽉ |
補助額 | 上限15万円(計画策定費⽤の2/3のみ) | |
伴⾛⽀援 | 3年間(注1) | |
| ① ⽀援を受ける中⼩企業(以下、「⽀援対象者」という)は、⺠間ゼロゼロ融資(借換分(注2)を含む)を利⽤しており、利⽤申請時点において当該融資の残⾼があること | ① ⽀援を受ける中⼩企業(以下、「⽀援対象者」という)は、⺠間ゼロゼロ融資(借換分(注2)を含む)を利⽤しており、利⽤申請時点において当該融資の残⾼があること |
対象事業者 | ② ⽀援を⾏う⾦融機関は、原則、⽀援対象者のメインバンク(注3)であること ③ ⽀援を⾏う⾦融機関の⽀援対象者に対する融資総額が4,000万円以下であり、そのうち⺠間ゼロゼロ融資(借換分(注2)を含む)の保証債務残⾼割合が50%以上であること。 | ② ⽀援を⾏う⾦融機関は、原則、⽀援対象者のメインバンクであること ③ ⽀援を⾏う⾦融機関における、⽀援対象者の⺠間ゼロゼロ融資(借換分)を含む)の保証債務残⾼が2,000万円以下であること |
|
| ➃ ⽀援を⾏う⾦融機関の⽀援対象者に対する融資総額が、⺠間ゼロゼロ融資(借換分(注2)を含む)の保証債務残⾼の2倍以内であること |
※引用:「早期経営改善計画策定支援」を活用した民間金融機関による経営改善支援の更なる促進
改正後の意義
この改正により、より多くの中小企業が「早期経営改善計画策定支援」を利用しやすくなりました。
1. より多くの中小企業が利用可能に
対象範囲が広がったことで、これまで支援を受けられなかった企業も制度を活用できるようになりました。
2. 民間金融機関の役割強化
民間金融機関がこの制度を積極的に活用することで、金融機関自身の経営改善支援能力が向上します。将来的には、この制度がなくても同様の支援が継続されることが期待されています。
利用するメリット
この制度を利用することで、以下のようなメリットが期待できます。
専門家のアドバイスを受けながら、自社の経営課題を明確化できる
具体的な改善計画を立てることで、経営の方向性が明確になる
金融機関との関係強化につながり、資金調達がスムーズになる可能性がある
民間金融機関による経営改善計画策定支援が利用できる
ポスコロ事業の改正によって、より早い段階で専門家の支援を受けながら経営改善に取り組むチャンスです。
自社の経営をより良いものにしたい、でも何から始めればいいか分からない…そんな方は、ぜひこの制度の活用を検討ください!
専門家のサポートを受けながら、自社の未来を描いていく。そんな第一歩を踏み出すチャンスが、今まさに広がっています。
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