新規法人口座の開設は難しい?タイミングやコツをご紹介!
事業を始める時、真っ先に考えるのは「法人口座の開設」ではないでしょうか。
法人口座は、事業の運転資金を入れておくために必要ですよね。
ですが近年では、新規口座をなかなか開設できないケースが増えています。
その場合、事業の実態を金融機関にきちんと伝えることが大切ですが、それでも確実ではありません。
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日本政策金融公庫の創業融資が認可されると、法人口座を開設しやすくなる
金融機関で法人口座の開設ができなかった場合、資金の管理が大変ですから、とても困りますよね。
もしも金融機関に事業実態を説明しても、口座の開設ができなかったら、他に手段は無いのでしょうか。
実は「日本政策金融公庫(公庫)の創業融資を申請する」という方法で、金融機関の法人口座の開設が可能になる可能性が高くなります。
【現状】1年未満の新設法人は銀行口座を作りにくい
現状では、設立して1年未満の法人は、銀行口座が作りにくくなっています。
新規法人が銀行口座を作りにくいのはなぜ?
新規で事業を立ち上げる時に、銀行口座は必要ですが、開設がしにくい状況になっています。
それは「口座を、反社会的勢力に利用されるかもしれない」という疑いを、金融機関は持っているからです。
新規法人の銀行口座を作るベストな時期はいつ?
金融機関は法人口座の受付を拒否することもあるのです。
ですが下記の時期には、法人口座を作りやすくなります。
- 決算が終了した、設立1年以上
決算を迎えるためには、決算書が必要です。
その決算書を見ることで、金融機関は下記のことを知ることができるのです。
- 経営内容
- 事業実態など
金融機関は、事業実態がきちんとあるということが確認できるので、この時期は口座が作りやすくなります。
決算書が口座開設のポイント
金融機関が新規法人の口座開設を嫌がる理由として「反社会的勢力に利用されるかもしれないから」とご紹介しました。
反社会的勢力が、法人口座を作る理由として「信用性が上がる」という点があります。
個人の口座よりも、法人口座の方が「会社(企業)」という意識があり、法人口座を信用してしまうのです。
そのために、反社会的勢力は法人口座を作りたがります。
反社会的勢力の目的は「法人口座を開設すること」ですから、設立した事業の維持は考えていないのです。
そのため事業運営をしていないので、決算書を作成することはほぼありません。
「決算書を作成する」ことは、金融機関にきちんと事業をおこなっているということを、伝えるための方法でもあるのです。
【対策-初級編】公庫に創業融資を申し込んで、可決されてから口座開設を依頼
設立1年目の決算が終了した事業者は、銀行口座を作りやすいとご紹介しましたが、1年も口座開設を待たなければならないとなると、資金管理も大変です。
そこで、1年未満でも口座開設ができる方法(コツ)をご紹介します。
公庫に創業融資を申請した後に口座開設する
法人口座開設は、「事業を設立してから口座開設、その後必要ならば、公庫に創業融資の申請」という手順がとられます。
ですが、金融機関で法人口座を開設するために、下記のようなコツもあります。
- 公庫に創業融資を申請
- 融資が可決
- 金融機関に口座開設を依頼
公庫に創業融資を申請することが、法人口座開設の手助けになってくれます。
創業融資可決は法人口座を作りやすくなる?
公庫の創業融資が可決されれば、法人口座を作りやすくなるのでしょうか。
結論を言いますと、下記の理由で作りやすくなります。
- 事業実態は公庫が調査している
- 反社会的勢力かどうかは、公庫が確認済み
公庫の創業融資の審査で、事業形態や事業者の事を調査されますから、他の金融機関も口座開設を拒む理由が無くなるのです。
金融機関への新規法人口座開設をお願いしよう
公庫の創業融資が可決されたら、お付き合いを始めたいと思っている金融機関に口座開設をお願いしましょう。
- 公庫から創業融資の認可を頂いた
- 公庫に、引き落とし口座を伝える必要がある
- こちらの金融機関を指定口座にしたいので、口座開設をお願いします
公庫から上記のことを伝えれば、前向きに検討してくれる可能性が高くなりますよ。
【対策-中級編】法人口座がなくても協調融資も申し込める
法人口座の開設のきっかけは「創業融資」だけではありません。
「協調融資」という手段もあります。
協調融資とは
協調融資とは、複数の金融機関が協調することで、融資が実行される制度です。
複数の金融機関の組み合わせとは、下記のようなパターンがあります。
- 公庫+民間金融機関
- 民間+民間金融機関
協調融資を申請する場合、「複数の金融機関の口座が必要になるのか」と心配になるかもしれません。
協調融資の手続きは、金融機関の口座が無くても、メインとなる金融機関がとりまとめをおこないながら進めてくれます。
協調融資なら、銀行口座を作れる?
協調融資は、ほとんどの場合、信用保証協会の保証付きの融資の場合が多いでしょう。
信用保証協会付きの融資とは、事業者が金融機関に返済ができなくなった時に、保証協会が金融機関に返済をおこない、事業者の返済を立て替えるというものです。
そのため、保証協会付きの融資審査は厳しくなる傾向があります。
保証協会付きの協調融資の場合も、信用保証協会に審査を任されることになりますので、銀行口座の法人開設は、融資審査に通れば、開設できる可能性は高くなります。
公庫で引き落とし口座が設定できるネット銀行
めったにありませんが、融資の認可を貰っても、利用したいと思っていた金融機関が、口座開設に応じてくれない場合もあります。
その場合は、ネット銀行での口座開設を検討してみましょう。
ネット銀行とは
ネット銀行とは、店舗を持たずインターネット上で取引ができる銀行のことです。
パソコンやスマートフォンでいつでも利用できるので、店舗の窓口になかなか行けないという人にも活用されています。
書類審査が必要ですが、書類が整っていれば口座開設が可能です。
公庫の融資もネット銀行を利用できる
以前は、公庫の引き落とし口座に設定できませんでしたが、今は下記の二つのネット銀行が利用できます。
- GMOあおぞらネット銀行
- 楽天銀行
今後も、公庫の引き落とし口座に利用できるネット銀行が増えるかもしれませんので、チェックしていきましょう。
法人口座の開設だけでなく、融資申請に迷った場合は、専門家へ
以前は、法人口座を開設してから、融資の申込をおこなってきました。
ですが近年では、新規の法人口座の開設が難しくなっています。
もしも金融機関で法人口座の開設を断られてしまった場合は、上記で紹介したように「①創業融資の申込み」→「②融資の認可」→「③金融機関での口座開設」の順に申込をしましょう。
経営者にとっては、法人口座の開設だけでなく、融資申請というハードルも生じます。
経営者自身にとって、大きな負担になる可能性が高いので、適切なアドバイスをしてくれる専門家と相談しながら進めていきましょう。