金融機関との付き合い方!スムーズに融資を受けるために
企業の経営者や個人事業主にとって、資金力は事業を続けるうえでとても大事なポイントです。
自力でまかなうことができれば良いのですが、金融機関から融資を受けて資金を調達することも多いでしょう。
そのときにスムーズかつ確実に融資を受けるためには、日頃から金融機関との付き合いができているかどうかが重要になります。
付き合いがなければ緊急時に資金繰りに苦労することになったり、最悪の場合は倒産したりする可能性もあります。
そのようなことにならないために、今回は金融機関との正しい付き合い方についてご紹介します。
金融機関との正しい付き合い方は2ステップ
金融機関との付き合いといっても、担当者と食事をしたり、接待をしたり、といったものではありません。
ポイントは「融資しても問題ない」という、信頼の実績を積み重ねることです。
信頼関係を築くためにするべきことは「預金取引を始める」「事業の進捗を報告する」という二つのステップがあります。
それにプラスして、複数の金融機関と同様の付き合いができると、万一の場合も安心です。
一つずつ解説します。
ステップ1・預金取引でお付き合いを始める
これまで取引のない金融機関にいきなり融資を申し込むのは、初対面の人にいきなり交際を申し込むようなものです。
通常の融資なら、すでに取引のある金融機関(メインバンク)に申し込むのが一般的です。
しかし、そこを初めての金融機関に飛び込んでくるあたりで「メインバンクに断られているのかも」「資金繰りに相当困っているのではないか」と疑われる可能性が高いです。
金融機関との正しい付き合いは、まず預金取引をスタートさせ、金融機関と接点を持つところから始まります。
消費税支払いのための定期積立や、普通預金でも構いません。
預金取引を始めたうえで「弊社の状況を見て将来的に融資を検討していただけますか?」と添えればいいのです。
将来の融資についてNO!という金融機関はないでしょう。
ステップ2・事業計画の定期的な報告で信頼を高める
ステップ1の預金取引のスタートは挨拶のようなものです。
次のステップで金融機関からの信頼を高めていきましょう。
具体的にすることは以下の二つです。
- 事業計画書の提出
- 事業計画の進捗状況の定期的な報告
金融機関に事業計画書を提出する企業は多くありません。
そのため、提出するだけで「しっかりした会社だ」と思ってもらえます。また、会社の活動内容を知ってもらう機会になります。
事業計画の進捗まで報告する企業となると、もっと少なくなります。
事業計画の進捗を報告することで、金融機関は会社の活動状況を逐一把握することができます。「この会社は信頼できそうだ」と思ってくれるようになるのです。
なお、報告の頻度は、月に1回程度が目安です。
プラスα・複数の金融機関との取引で万一に備える
「預金取引を始める」「事業の進捗を報告する」という上記二つのステップを、複数の金融機関とできるとなお良いです。
これは信頼関係の構築というよりは、リスクヘッジの意味合いがあります。
今後、取引している金融機関が破綻してしまうことがあるかもしれません。
取引する金融機関が一つだけだった場合、金融機関の破綻と同時に資金の調達先が無くなり、自分の会社も共倒れてしまう可能性が高くなります。
二つ以上あれば、破綻していない方の金融機関に頼ることで資金の問題を解決することができるのです。
最悪の状況を避けるために、複数の金融機関と取引しておくのがベストです。
金融機関との信頼関係は資金調達力に直結します
普段から金融機関との付き合いができているかどうかは、企業の資金調達力の差になります。
金融機関は、実態のわからない企業にお金を貸すことはできません。
そのため、それまでの取引なしに融資を申し入れると渋られたり、審査に長い時間を要したりすることになります。
逆に、普段から取引があり、しっかりコミュニケーションをとれている企業に対して金融機関は前向きに支援を検討してくれます。
良い情報を優先的に教えてくれることもあるでしょう。
なぜなら、金融機関にとっても取引先が倒産するのは困ることだからです。
いざという時の資金繰りに困らないために、複数の金融機関と正しい付き合いをしておくことはとても重要です。
預金取引から銀行とのお付き合いを始めましょう!
金融機関との付き合い方、付き合うことの重要性をご紹介しました。
取引金融機関が一つしかない場合は、他の金融機関と預金取引を始めるところから始めましょう。
複数の取引金融機関がある場合は、事業計画書の報告の準備を進めると良いです。
事業計画書の提出や報告についてよくわからない、不安があるという場合は専門家に相談するのも一つの手段です。
専門家のアドバイスを受けることで、金融機関に正しくアプローチができます。また、金融機関に安心感をもってもらうことで、スムーズな融資につながるでしょう。