【金融機関】支店長の決裁権限枠とは?融資の流れを紹介!
金融機関の融資審査には、ある程度決まった流れがあり、時間がかかります。
ですが融資申請の結果は、早めに知りたいですよね。
実は、通常の融資審査よりも、早く可否が分かる融資があります。
それは「支店長の決裁権限枠」と呼ばれる融資です。
Contents
金融機関の、一般的な融資の流れ
経営者が、融資申請をするために金融機関に行くと、下記の流れで審査が始まります。
- 金融機関に融資申請
- 金融機関の融資担当者が、稟議書を作成
- 稟議書を、支店内の関係者と支店長が確認
- 確認後OKの場合、本部の審査部門に送付される
- 本部で審査が始まり、可否が決定
もしも金融機関から融資を断られた場合、改めて資金調達の方法を考えなければなりません。
そのため、なるべく早く可否が分かればと思う経営者は多いのではないでしょうか。
実は、条件を満たせば、金融機関の支店長の承認だけで融資が決定する「支店長の決裁権限枠内」の融資を活用することができるのです。
支店長の決裁権限枠の融資とは
支店長の決裁権限枠の融資とは、金融機関の支店長の決裁のみで実行される融資のことです。
一般的な融資の可否は、上記で紹介した流れで、金融機関の本部が決定します。
ですが、支店長の決裁権限枠の融資は、本部の融資審査を受けないため、本部で融資審査を受けるよりも、早めに融資の可否が分かるのです。
ただし、支店長の決裁権限枠の融資を利用するためには、必要な条件があります。
支店長の決裁権限枠が利用できる金融機関はある?
支店長の決裁権限枠の融資を受けられる条件の一つに、決裁権限枠の融資を利用できる金融機関かどうかが問題になります。
現状では、多くの金融機関が本部で融資審査をおこなっています。
ですが、支店で「支店長の決裁権限枠の融資」を全くおこなっていないわけではありません。
これは、金融機関によりますので、確認が必要です。
支店長の決裁権限枠を利用する時の注意ポイント
支店長の決裁権限枠の融資を利用する場合、融資金額にまつわる注意ポイントがあります。
支店長の決裁権限枠の注意ポイント「支店によって、実行できる金額が違う」
支店長の決裁権限枠が利用できても、実行できる金額が支店によって変わります。
それは、下記の条件により変動します。
- 支店の規模
- 支店長の経験や経歴
支店の大きさや、支店長の経験値によって、決裁権限枠が変わるのです。
もしも小規模の支店で、支店長が着任したばかりの場合は、支店長の決裁権限枠が小さいので、難しいかもしれません。
決裁権限枠の注意ポイント「決裁権限枠の金額は、1融資先の総額」
決裁権限枠の融資は、融資案件1件ごとの金額ではなく「1融資先の融資総額」で決まります。
例として下記のケースをご紹介します。
- 500万円の融資を希望
- すでに600万円の融資を受けている
- 融資総額は、1,100万円になる
- 融資申請をした支店の、支店長の決裁権限枠が1,000万円
- 融資総額が、決済権限枠をオーバーするので、本部に稟議書が送付される
融資の総額が決裁権限枠を超えた場合、金融機関の本部に稟議書が送付され、本部での融資審査となります。
支店長の決裁権限枠の融資案件が、通りやすい理由は?
支店長の決裁権限枠の融資は、本部の融資審査よりも早く、通りやすい傾向があります。
金融機関の本部は審査が厳しい
金融機関の本部では、支店から送付される稟議書と、添付書類のみで審査をしています。
本部の融資担当者は、多数の融資審査に関わっているので、稟議書を見る目も厳しく、支店長の承認があっても、審査が通らない場合も多いのです。
そして、審査に関わる担当者も多いので、時間もかかります。
決裁権限枠は支店長の承認で決まる
支店長の決裁権限枠内の融資審査のメリットは、下記になります。
- 支店長が最終判断をするので、審査も早めに終わる
- 支店長に直接アピールできる可能性がある
たとえ、融資担当者が作成する稟議書が不十分でも、直接、支店長にアピールできるので、可決される可能性が高いのです。
支店長の決裁権限枠を知るには
スピーディーな融資審査を望むなら、「支店長の決裁権限枠内の融資」を受けることが一番です。
ですが、下記のような不安があります。
- 支店長の決裁権限枠の金額は公表されていない
- 金融機関のホームページにも記載されない
- 電話やメールで問い合わせをしても、教えてもらえない
この場合、どうすればいいのでしょうか。
支店長の決裁権限枠の融資金額を知る方法!
支店長の決裁権限枠の融資金額を知るための、方法が2つあります。
それは下記の方法です。
- 支店長や支店の担当者に、直接聞く
- この支店から、融資を受けたことがある経営者に教えてもらう
とても意外だと思われるかもしれませんが、支店長や担当者に聞けば、簡単に教えてくれることが多いのです。
ですが、支店長の決裁権限枠の融資金額を教えてもらうためには、ある程度、金融機関と仲良くなっていなければ難しいかもしれません。
金融機関と仲良くなる方法
支店長や融資の担当者から、決裁権限枠の金額を教えてもらうためには、金融機関としっかりコミュニケーションをとって、仲良くなる必要があります
おすすめの方法は「毎月、金融機関に月次報告をすること」です。
毎月、金融機関に月次報告をしておくと、金融機関は、事業の状況を知ることができます。
そして、経営者の人柄を知らせる機会でもあるのです。
金融機関からすれば、見ず知らずの人に「支店長の決裁権限枠の金額を教えて」と、聞かれても「教える必要はない」と判断をするでしょう。
しっかり月次報告をして、金融機関とコミュニケーションをとっておけば、支店長決裁権限枠の金額を知ることもできますし、融資を受けられる可能性も高くなります。
支店長決裁権限枠の融資を受けたいと思ったら
金融機関の内側は、シークレットな部分も多いので、融資に関する情報を入手することは難しいかもしれません。
ですが、金融機関の内側を少しでも知ることができれば、融資をスムーズに進められることもあります。
金融機関の内側に踏み込むことは、ハードルが高いと感じる経営者も多いかもしれません。
そんな場合は、的確なアドバイスをしてくれる専門家と、一緒に進めていきましょう。
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