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コロナ下でわかった借金のすすめ!無借金経営が危険な理由

日本では無借金経営を理想とする傾向があります。

もちろん、自己資金だけで経営を続けられるのは素晴らしいことです。

しかし、コロナ下における事業者の資金繰りの様子をみていると、借金が必要ない事業者でも、あえて借金をしておいても損はないかもしれません。

それどころか、借金が困ったときの安心材料になる可能性があります。

今回は、無借金経営をおこなう事業者が陥った危機と、借金の必要性についてご紹介します。

コロナ禍で「金融機関の紹介」を希望する事業者

2020年3月から6月にかけて、融資の専門家を多数擁する一般社団法人融資コンサルタント協会には約600件もの相談が寄せられたそうです。(当社も所属をさせていただいております)

相談の多くは当時スタートしたコロナ融資に関するものでしたが、そのなかに「コロナ融資をしてくれる金融機関を紹介してほしい」というものもありました。

申請方法や必要な書類といった「どうやって」という相談ではなく、「どこで」申請したらいいかという相談が見られたのはなぜでしょうか。

「金融機関の紹介」を希望する背景

2020年3月17日に日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」がスタートしました。

最初のころは申請から1~2週間程度で資金を借りることができ、事業者にとっても大変ありがたいものでした。

しかし、4月になると緊急事態宣言が発令されます。

その影響で日本政策金融公庫に申請が集中し、実行まで3カ月待ちのパンク状態になってしまいました。

着金までの3カ月分の資金を確保できている事業者は少なく、多くの事業者にとって大変な痛手でした。

そこで、5月1日から民間金融機関による実質無利子・無担保融資が始まります。

しかし、今まで無借金経営を続けてきた事業者は、民間金融機関と取引をおこなったことがありません。

日本政策金融公庫からしか融資を受けたことがない事業者も同様です。

そのため、至急の資金調達をするために上記のような「金融機関の紹介」を希望する相談が増えたと考えられます。

無借金経営が背負うリスク

当時、日本政策金融公庫と同様に民間金融機関も大量の融資申請が舞い込んでいました。

そのため、民間金融機関も既存の取引先の対応で手一杯で、新規の申請は後回しにならざるを得ませんでした。

これが無借金経営が背負うリスクです。

平時において無借金経営の事業者というのは、何もしなくても金融機関の方から取引をお願いされるものです。

しかし、今回のコロナ下のような有事の際には、財務内容の良し悪しに関わらず既存の取引先が優先されてしまいます。

決して新規顧客をないがしろにしているわけではありませんが、金融機関にもキャパがあります。

顧客が殺到してしまえば、そのような状況になってしまうのも仕方のないことです。

とはいえ、事業者としては「仕方ない」で片づけられることではありません。

そんな有事の際でも、融資をしてもらうための対策が必要です。

方法は非常にシンプルで、普段から金融機関と取引をして信用関係を築いておけばよいのです。

借金をする理由は自己資金のありなしだけではありません。

金融機関とのつながりを持つために、借金をするという考え方もあるということです。

あの有名レストランも無借金経営で困った話

2021年3月4日の「現代ビジネス」に、イタリア料理の名店「ラ・ベットラ」のオーナーシェフ・落合務さんの話が掲載されています。

それによると、ずっと無借金経営だった「ラ・ベットラ」も、コロナ禍で初めて銀行から融資を受けたそうです。

その時に落合務さんが感じたことが、とても印象的だったのでご紹介します。

この店はずっと無借金で経営してきたんです。いままで借金をしてなかったことを誇っていたわけですけど、でもそれは逆に、銀行取り引きから言えば僕が信用がないということだった。そんなことも初めて勉強しましたよ。

「初めて銀行で借金をした」落合務シェフが語るコロナ禍の飲食店が「本当に伝えたいこと」

これだけ大成功されていて知名度も高い事業者であっても、ゼロから融資を受けるというのは大変なことだったのだろうと伺えます。

もし、このコロナ下で無借金経営を続けていられた事業者であっても、今後のことを考えれば関係づくりのための銀行取引は検討すべきことではないでしょうか。

リスクマネジメントとして借金をすることの必要性

無借金経営は素晴らしいことです。

しかし、金融機関と取引がないということはいざという時に危機に直結します。

普段から融資のやりとりがあれば、年に1回は決算書のやりとりがあり、金融機関の担当者の訪問もあります。

このことで金融機関との信用関係を築くことができ、有事の際もスムーズに融資を受けられる可能性が高まります。

少額でもよいので金融機関から借りておくことは、有事のときにも資金繰りを安定させる切り札になるのです。

金利はかかりますが、いざという時の保険料、金融機関との関係維持費だと思えば必要経費といえるのではないでしょうか。

>>金融機関とどう付き合えばいい?困ったときのお役立ち情報はこちらから!

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