つなぎ融資と中小企業省力化投資補助金で、省力化投資を!

補助金制度を活用したいと思い申請をしても、可否が出て実行されるまでの間の「つなぎ融資」を考える経営者は多いのではないでしょうか。
補助金が出るまでのつなぎの融資だとしても、融資が実行されないと事業の運営に支障をきたしてしまいます。
今回は、つなぎ融資と相性の良い「中小企業省力化投資補助金」についてと、つなぎ融資が減額されずに実行される重要なポイントをご紹介します。
Contents
中小企業省力化投資補助金は、つなぎ融資との相性がいい

補助金を申請して実行されるまで、資金面で不安がある場合「つなぎ融資」を検討する経営者は多いと思います。
つなぎ融資とは

つなぎ融資とは、急に資金が必要になったときに受ける融資の事です。
主に運転資金として活用されますが、設備資金に使用されることもあります。
融資は、事前にしっかり準備をして申請しますが、下記のように一時的に支払いができないという状況になることもありますよね。
- 災害
- 受注があっても支払いは翌月の末日、備品や資材の支払いは今月中という状況など
長期的にみれば仕事の受注もあり、入金の予定もありますが、一時的に通帳の中に資金が無いという状況にならないように、つなぎ融資が活用されます。
中小企業省力化投資補助金とは

中小企業省力化投資補助金とは、中小企業の売り上げ拡大や生産力向上を後押しする補助金で、人手不足に悩む中小企業に対して「省力化投資」の支援をおこないます。
企業の付加価値や生産性の向上、賃上げにつなげることが目的です。
採択や交付は、申請から約1~2か月ほどかかる予定になっています。
中小企業省力化投資補助金の概要

中小企業省力化投資補助金は、下記の2つのタイプで申請ができる補助金です。
- カタログ注文型
- 一般型
それぞれの概要を下記でご紹介します。
【カタログ注文型】
- 投資内容…簡易的で即効性がある省力化投資
- 補助対象者…人手不足状態の中小企業
- 補助対象…カタログに登録された省力化に効果のある汎用製品
- 補助上限…最大1,500万円(従業員数により異なる)
- 補助率…1/2以下
【一般型】
- 投資内容…オーダーメイド性のある多様な省力化投資
- 補助対象者…中小企業・小規模企業者・一部の特定事業者・特定非営利活動法人・社会福祉法人
- 補助対象…個別現場の設備・事業内容に合わせた設備導入やシステム構築
- 補助上限…最大1億円(従業員数により異なる)
- 補助率…中小企業:1/2(補助金額が1,500万円まで)・1/3(1,500万円超える部分)・小規模企業者など:2/3(補助金額が1,500万円まで)・1/3(1,500万円超える部分)
融資申請で伝えたい「①資金使途」「②返済資源」「③融資効果」の3点

「つなぎ融資」は、通常の融資よりも「補助金」ありきですので、減額される可能性が高くなります。
急いで資金が欲しいと焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて下記のポイントを押さえて申請をしましょう。
金融機関が、融資審査で重要視しているポイントは「①資金使途」「②返済資源」「③融資効果」の3点です。
融資申請で伝えたい重要事項「①資金使途」

融資申請をするときに、必ず伝えないといけない金融機関が重要視しているものが「資金使途(資金の使い道)」です。
事業計画書と共に、下記を必ずチェックします。
- 資金使途
- 金額が妥当であるか
設備投資をするために融資を申請する場合、金融機関は下記の疑問を持っているのです。
- その設備は本当に必要か
- その設備の能力は、企業にとって過剰能力か、または能力不足ではないか
- 設備の金額は高すぎではないか
設備投資は、大きな金額がかかりますし、1度購入したらずっと使い続けますから、金融機関も慎重になるのです。
融資申請で伝えたい重要事項「②返済資源」

「資金使途」の確認後、妥当と判断をされたら、次は返済資源のチェックをおこないます。
返済資源のチェックとは「新規融資分を含めた融資総額分の返済は可能か」の確認です。
金融機関は、下記のような判断で融資の可否をはかります。
- 既存のビジネスで、新規融資分を含めた融資総額分の返済は可能→融資実行
- 既存のビジネスで、新規融資分を含めた融資総額分の返済は難しい→融資効果が考慮される
融資申請で伝えたい重要事項「③融資効果」

返済資源の確認時に「ちょっと難しい」と判断された場合は、この「融資効果」が重要になります。
融資効果とは「融資をおこなうことで企業にどのようなメリットがあるか」です。
申請している新たな融資が実行され、新規融資分を返済できる収益を生み出すことができるならば「既存のビジネスで新規融資分を含めた融資総額分の返済は可能」という判断をされ、融資実行の可能性は高くなります。
省力化投資補助金は「③融資効果」を伝えやすい

上記でご紹介した「中小企業省力化投資補助金」を活用すると、融資効果を伝えやすいというメリットがあります。
中小企業省力化投資補助金は、中小企業の売り上げ拡大や生産力向上を後押しする補助金です。
生産力を向上させることができれば、利益も増え、増えた利益は「②返済資源」になります。
中小企業省力化投資補助金と融資は、とても相性が良いため、補助金額を含めた必要な融資額を前向きに検討してくれる可能性も高くなるのです。
「補助金のつなぎ融資」ではなく「省力化投資の融資」の依頼を

金融機関に融資を申請する場合「中小企業省力化投資補助金のつなぎ融資」ではなく「省力化投資をするための融資」を申請しましょう。
「中小企業省力化投資補助金のつなぎ融資」では、金融機関は前例を踏襲する傾向がありますので「補助金で回収できる金額」しか検討しないというケースもあります。
ですが「省力化投資をおこなうための事業計画書」を作成して、上記でご紹介した、金融機関に融資申請時に伝えたい重要事項の「①資金使途」や「②返済資源」・「③融資効果」をしっかり伝えれば、その事業計画の内容で融資審査をしてくれますよ。
融資効果が明確なら、返済資源の確保も可能ですし、省力化投資の場合、多くは設備投資ですので、資金使途も問題なしという判断をされるでしょう。
注意! 補助金用の事業計画書を金融機関に流用しない

ここで注意しておかないといけないポイントがあります。
それは、中小企業省力化投資補助金を申請する時に作成した「事業計画書」を、金融機関の融資申請の時に、流用しないことです。
流用してしまうと、補助金額分しか融資を受けることができなくなる可能性があります。
手間はかかりますが、事業計画書は、必ず金融機関向けのものを作成して提出しましょう。
補助金に絡めた融資支援を受けたいと思ったら

「補助金に採択されたので融資をしてください」では必要額の全額を借りられない(減額される)可能性が高くなります。
減額されるだけならまだよいのですが、申請した融資そのものが否決になることもあり得るのです。
金融機関に「つなぎ融資」を実行してもらうにはコツが必要になります。
上記でご紹介した3つのポイントをしっかり押さえて、申し込みをしましょう。
申し込み方で、融資の可否が変わるのです。
ただ、通常の融資の用意もままならないのに、補助金の申請やつなぎ融資に対する用意は、手間取ってしまう経営者も多いのではないでしょうか。
そんな場合は、的確なアドバイスをしてくれる専門家と一緒に進めていきましょう。
>>つなぎ融資を成功させ、事業を発展させたい経営者はこちら!