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省力化投資補助金のつなぎ融資として資本性ローンは最適?

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中小企業の人手不足を補うための補助金制度「中小企業省力化投資補助金」の第2回目の公募が始まります。

ですが応募をしても採択されるまで、2~3カ月もの時間がかかりますので、その間の資金繰りに悩む経営者は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、中小企業省力化投資補助金との相性の良い「通常資本性劣後ローン」をご紹介します。

中小企業省力化投資補助金が採択されるまでの「つなぎ融資」としてもおすすめのローンですので、ぜひご検討くださいね。

補助金のつなぎ融資は、必要額全額の融資が難しかった

補助金制度に申請をして、採択されるまで時間がかかります。

そのため「つなぎ融資」を申請する企業は、多いのではないでしょうか。

ですが補助金を申請した企業が、必要な金額の全額融資が難しいという現状がありました。

申請した補助金制度にもよりますが「新事業(新たなターゲットや今まで取り組んでいなかった新商品や新サービス)に関する補助金」に申請した場合、金融機関はなかなか融資をおこなおうとしません。

その理由は「中小企業にとって新事業を始めることはリスクが高い」と金融機関が判断するからです。

通常資本性劣後ローンを活用すれば、全額融資が可能になるのか

今、注目されている中小企業省力化投資補助金の場合、通常資本性劣後ローンを活用することで、事業に必要な金額が融資される可能性があります。

その理由は「通常資本性劣後ローンを利用する目的と、省力化投資の親和性が高い」という点です。

2025年2月末に「コロナ資本性劣後ローン」は終了しましたが、その後「通常資本性劣後ローン」が始まりました。

通常資本性劣後ローンの対象が「省力化投資をおこなう事業者」まで拡大されました。

中小企業省力化投資補助金に関しては、下記でご紹介しますが、中小企業省力化投資補助金は「省力化投資を支援する」制度です。

通常資本性劣後ローンの対象と中小企業省力化投資補助金の支援の方向性が一致しているため、事業に必要な金額全額が融資される可能性があるのです。

通常資本性劣後ローンを利用するためには「利益向上」の計画が必須

資本性ローンとは、もともと企業の「財務体質の強化」を目的とした融資制度です。

ですが企業が融資に申請をする理由は、下記が多いですよね。

  • 運営資金の調達
  • 資金繰り

資本性ローンは審査が厳格なため、通りにくいと思われがちですが、申請をする理由に問題がある場合が多いのです。

資本性ローンとは

資本性ローンとは、新規事業に取り組む中小企業の財務体質を強化するために、資本性の資金を供給する融資制度です。

本来、融資での借り入れは「負債」とみなされますが、資本性ローンは「資本」としての資金調達が可能になります。

そして資本性ローンの大きな特徴は、下記です。

  • 無担保・保証人無で申請できるものもある
  • 期限一括返済(分割払い不可)

新規事業を始めたくても、資金が不足していて始められないという企業にとっては、とてもメリットの多い制度ではないでしょうか。

ただし「期限が来たら一括返済をしなければならない」というデメリットもあります。

分割払いができないため、期限が来るまでに返済計画をしっかり立てて、返済金を確保しておかなければなりません。

公庫の資本性ローンは資金繰り目的では通らない

公庫の資本性ローンは、財務体質を強化するための制度ですが「資金繰りや事業を改善するため」という理由では、審査が通りにくい傾向にありました。

その理由は下記になります。

  • 資金繰りが改善しても、利益が増えない
  • 一括返済の期日が来ても、返済ができない可能性がある

民間の金融機関でも公庫でも同じですが、融資を受ければ融資金を返済しなければなりません。

公庫でも「この企業に融資をしても融資金が戻ってくるかわからない」と判断をされれば、融資を申請しても通ることは無いのです。

公庫の資本性ローンでも「利益アップ」は必須

融資制度を活用するため申請をしますが、その理由として「資金繰りの改善」という理由だけでは、融資は通りにくいのです。

公庫の資本性ローンの審査に通るためには「売上や利益をアップさせるための資金が必要だから申請をする」ということをアピールする必要があります。

融資制度は、融資金の返済が必須で、公庫の「資本性ローン」は一括返済です。

返済期日までに、返済金の用意をするためには、資金繰りの改善はもちろん、事業を軌道に乗せて、利益を増やさないといけませんので、しっかりとした事業計画を立てていきましょう。

省力化投資は「利益を増やす取り組み」として見なされる

省力化投資は、人手不足に悩む企業に対して「人を増やさず、生産力をアップさせること」を目的にしています。

その目的の結果「利益がアップする」ことに繋がる可能性があるのです。

ただ、省力化投資は効果が出るまでに時間がかかります。

そのため、返済までに長い期間の猶予がある資本性ローンは、最適な資金調達の1つですから、しっかり活用していきましょう。

そして、資本性ローンと親和性の高い、省力化投資に最適な補助金(中小企業省力化投資補助金)を下記でご紹介します。

中小企業省力化投資補助金は2つの類型がある

中小企業省力化投資補助金とは、中小企業などの売上拡大や生産性の向上を後押しするための補助金制度です。

中小企業省力化投資補助金は、下記の2つのタイプがあります。

  • カタログ注文型
  • 一般型

カタログ注文型は、付加価値額の向上や生産力を向上させるために効果的な「汎用製品」を「カタログ」の中から選択して導入するタイプです。

そして一般型は、個別の事業内容や現場に合わせた設備の導入や、システムの構築などの多様な省力化投資の支援になります。

一般型の第2回の公募が始まりましたので、下記でご紹介しますね。

中小企業省力化投資補助金一般型の第2回公募のスケジュール

中小企業省力化投資補助金一般型の第2回の公募が開始されました。

日程を下記でご紹介しますので、忘れないようにチェックしておきましょう。

  • 公募開始日…2025年4月15日(火)
  • 申請受付開始日時…2025年4月25日(金):10時から
  • 公募締め切り日…2025年5月30日(金):17時まで
  • 採択発表日…2025年8月中旬の予定

申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。

アカウントの取得には1~2週間ほどかかりますので、早めに取得手続きをしておきましょう。

融資の現場対応はどうなのか ? 日本政策金融公庫に聞いてみた

スーツ姿の女性

資本性ローンを申請できる枠組みが広くなったことで、省電力投資補助金のつなぎ融資は受けやすくなるのでしょうか。

制度を実施する日本政策金融公庫(公庫)に聞いてみました。

 Q.新しい資本性ローンの制度は、使いやすくなりますか?

A.制度はまだ開始されたばかりのため、使いやすくなるかは不明です。

利用しやすくなれば良いと思っていますが、現在は具体的な運用は未定のため、今のところはわからない状態。

Q.省電力投資補助金を活用する場合、申請額全額の融資はしてもらえますか?

A.案件ごとに判断するため、全額融資の確約はできません。

案件の内容を確認した上で、補助金額のみとなるか、または全額分が対象となるのかを判断します。

省電力投資といっても、必要額の全額を融資できるとの約束はできません。

事業内容や返済計画を、慎重に確認してからの判断になります。

Q.資本性ローンの対象が、省電力投資が追加されたことを知っている金融機関はある?

銀行

A.民間の金融機関では、まだこの制度の認知度は低いです。

現時点では、金融機関にも情報がいきわたっていないため、今、申請したとしても、スムーズに対応してもらえない可能性があります。

まとめ|省力化投資補助金のつなぎ融資に資本性ローンは使えるのか

2025年2月末に「コロナ資本性劣後ローン」は終了し、その後「通常資本性劣後ローン」が始まりました。

通常資本性劣後ローンは始まったばかりのため、認知度もまだ低く、活用しようと考えている経営者はまだ少ないのではないでしょうか。

始まったばかりの制度は、申請者が少ないため審査に通る可能性が高いのです。

通常資本性劣後ローンは、中小企業省力化投資補助金との相性も良いので、つなぎ融資としても最適ではないでしょうか。

そのため新しい制度を積極的に活用することがおすすめですが、始まったばかりの制度のため、詳細がわからない経営者も多いと思います。

通常資本性劣後ローンをしっかり理解している専門家に相談をして、事業に最適な資金調達をおこなっていきましょう。


>>通常資本性劣後ローンや省力化投資補助金を詳しく知りたい経営者はこちら!

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