【公庫】追加融資に落ちた!銀行から断られない方法を伝授

日本政策金融公庫(公庫)で、創業融資を受けた後、追加の融資が必要になることもありますよね。
そんな場合、再び公庫にお願いすることを考えるでしょう。
ですが、公庫には「不文律」があるため、追加融資に対して厳しい対応を取られることもあるのです。
公庫に断られた場合、民間の金融機関に申請をしないといけませんが、融資を実行してくれる可能性を高くするためには、何が必要なのでしょうか。
Contents
公庫には「不文律」がある

日本政策金融公庫(公庫)から創業融資を受けて、事業を展開している企業が、事業が思うように進まず、追加の融資を考えているというケースがあります。
そのような場合、公庫は追加融資に応じてくれるのでしょうか。
日本政策金融公庫(公庫)とは?

日本政策金融公庫(公庫)とは、中小企業や個人事業主(小規模事業者)に対して融資をおこなっている政府系金融機関です。
日本政府の政策に連動した支援をおこなっているので、公庫の融資には下記のメリットがあります。
- 創業で実績が少なくても融資審査が通りやすい
- 金利が低い
- 無担保・無保証で融資を受けることも可能
民間の金融機関よりも審査が通りやすいため、公庫の創業融資を受ける事業者は多いです。
公庫の創業融資の返済期間は?

公庫の創業融資は、下記のような返済期間が多い傾向です。
- 運転資金…5年
- 設備資金…7年
公庫の追加融資の可否は、この返済期間も関係しています。
公庫が追加融資に、前向きではない理由

公庫が創業融資を実施後、追加融資に対しては、あまり前向きではありません。
公庫には「創業融資後、半分以上の融資金の返済が進んでいなければ、新規には応じない」という不文律があるからです。
公庫が、創業融資を実行するための判断材料は、下記になります。
- 自己資金
- 経験年数
- 創業計画書の内容
対して、追加融資の判断材料は「実績」です。
この実績によって、追加融資の可能性もあります。
ですが、上記の不文律があるため、門前払いされる傾向が多いのです。
公庫の「不文律」の背景とは?

一般的に「創業の3割は1年以内に廃業、5割は3年以内に廃業」と言われている背景があります。
上記で、公庫の創業融資の返済期間をご紹介しましたが、このような背景があるために「半分以上の返済が進んでいない場合、追加融資はしない」という不文律が生まれたのです。
そのため、創業から3年以内に追加融資を申し込んでくる企業に対して「計画通り進まなかった、リスクのある企業」と判断されるため、断られる傾向があります。
公庫は追加融資を絶対に断るわけでは無く、例外はある

創業融資から、3年以内に追加融資を申し込んでくる企業のすべてを断るわけではありません。
例外として、創業後3年以内でも、追加の融資を受けられる下記のようなケースもあります。
- 業績が計画を上回っていて、売上が増加している
- 更なる売上のために、追加の融資を求めている
当初の計画よりも実績が上回り、今後も伸びる可能性があると判断されれば、公庫も融資を前向きに検討してくれます。
公庫に断られた後、民間金融機関に申請しても融資は実行してくれない

公庫に断られた後、民間の金融機関での融資を考えるでしょう。
ですが、いきなり民間の金融機関で申請をおこなっても、すぐに融資を受けられることはありません。
民間の金融機関が、融資をしてくれない企業は?

民間の金融機関にいきなり融資申請しても、金融機関はその企業の状況がわかりません。
金融機関が、知りたい情報とは下記になります。
- 業種や規模、事業内容
- 経営状況、財務状況
- ビジネスモデルの将来性や堅牢性
- 経営者の性格や事業に対する考え方など
企業の情報が全く無い場合「資金繰りが厳しくなり、事業がうまくいっていない企業」と判断して、融資を断るのです。
民間の金融機関が、融資をしてくれる企業は?

民間の金融機関に融資申請をしても、情報がわからない企業に対して、融資をおこなうことはありません。
ですが、上記で紹介した金融機関が知りたい情報をきちんと伝え、常日頃から懇意にしている場合は、その限りではないので、融資をしてくれる可能性があります。
企業や経営者の事をよく知り、縁があれば、金融機関も積極的に融資をして、力になりたいと考えてくれるのです。
金融機関との「懇意な関係」とは

一例ですが、下記の企業であれば、どちらに力を貸してあげたいと思いますか。
A銀行とは、下記のような関係です。
- B…A銀行とは、付き合いのない企業
- C…A銀行と公庫から創業支援を受けて、金融機関の担当者とは、月に1回ほど顔を合わせてやり取りしている企業
おそらく、答えはCの企業ではないでしょうか。
Cの企業は、月に1回は金融機関の担当者とコミュニケーションをとっているため、金融機関も事業内容や状況を知っています。
対してBの企業とは、全くお付き合いの無い状況です。
A銀行は、Bの企業の事業内容や現状を知りません。
金融機関は、事業内容や状況が分からない企業にたいして、あまり前向きな対応は取らない傾向があります。
民間金融機関に「判断材料」を多く提供して「信頼」を積んでいく

金融機関は、企業から判断材料をもらって、融資の可否を判断します。
上記の一例を元にして、融資を検討する場合の判断材料を見てみましょう。
- B…財務内容(決算書・試算書)
- C…財務内容(決算書・試算書)、事業内容、事業の進捗状況、売上の推移状況、金融機関に対する寄与度、今後の事業の将来性や見込み、経営者の性格や考え方
BとCを比べれば、BよりもCの企業の方が判断材料も多いため、検討の余地があります。
何よりも、普段からコミュニケーションが取れている相手なので、信頼度は特に高くなりますよね。
金融機関は、信頼度の高い企業に対して「できる限り助けたい」と努力をしてくれます。
今までお付き合いの無かったBに対しては「助けなければいけない理由は無い」ので、ただ「リスクが高い企業」と判断をして、動くことはありません。
金融機関の信頼関係は日ごろのコミュニケーションから

事業を軌道に乗せるために、追加融資を公庫に申請したとしても、直近の融資から2年ほどしか経過していなかったり、融資枠いっぱいまで借りている場合は、追加融資に応じてくれることはありません。
そのため、慌てて民間の金融機関に融資申請をおこなっても、あまり期待はできないでしょう。
ただ、親密な関係を築けていれば、その限りではありません。
ですので早い段階から、金融機関と良い関係を作っていく必要があります。
ですが金融機関との関係作りとは、どうすればいいのかわからない経営者も多いでしょう。
そのような場合は、しっかりしたアドバイスをしてくれる専門家と一緒に、進めていきましょう。